りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO949

 

「落葉樹の魅力、徹底追及 編」・・・「ノダフジ」と「ヤマフジ」、どう違う?

庭木、特にシンボルツリー向きの「落葉樹」を紹介してきました。続いて、この項からは庭木と言う視点とは別に、私たちが親しんできた身近な「落葉樹」を取り上げて行きます。その第一番目は「フジ」です。

「フジ」とは、マメ科、フジ属の植物の総称です。そして、この属の植物は全てツル性の木本です。つまり、ツル性といっても、幹が木化し年々太くなると言うことです。また、単に「フジ」と言えば「ノダフジ」を指すこともあります。

フジ属の植物は、世界に8種程度分布しています。「ノダフジ」「ヤマフジ」「アケボノフジ」「アメリカフジ」「ナツフジ」「アメリカナツフジ」「ヒメフジ」「シナフジ」、などです。そして、日本の代表的存在が「ノダフジ」「ヤマフジ」です。従って、ここではこの両者について少し詳しく説明しておきます。

「ノダフジ」は本州、四国、九州と日本の広い地域に自生しています。この名前は、植物学者の牧野富太郎が他の「フジ」と区別するためにつけました。由来は、大阪市福島区の野田に有名な木があったことによります。

「ノダフジ」の最大の特色は、花の房が大きいこと。上手く栽培すると長さが80㎝にも達します。このため、栽培されている「フジ」の殆どは「ノダフジ」です。花は5月~6月頃に咲き、赤紫~紫色。美しく見事であることは周知の通りです。また、「ノダフジ」のツルは右巻きで、後述する「ヤマフジ」とは不思議なことに逆巻きです。花の色、大きさを見れ両者を区別することが出来ますが、この点も判別材料の有効手段となっています。

一方、「ヤマフジ」も本州、四国、九州などに広く自生しています。つまり、生息地域は「ノダフジ」とほぼ同じ。ただし、花房は小さく20㎝程度。花の色も淡紫色でやや青っぽく薄い感じがします。また、前述の通りツルは左巻きで、両者は比較的用意に区別できます。

日本人は「フジ」大好きの民族でもあります。従って、手入れの行き届いた藤棚が全国各地にあり、花の名所となっています。清楚な色、形が好まれたのでしょう。また、藤棚はエコグリーンの元祖的存在でもあります。そして、フジヅルの下で夏の日を避け、お茶などを楽しむ習慣は現在にも引き継がれています。

しかし、近年「フジ」を一般家庭の植栽に使う頻度は減少しています。藤棚を作るまでには至らなくても、掃き出し窓の近くに這わせるなど、もっと有効活用したいものです。

そこで本日のひと口アドバイス。

「日本人が大好きなフジ! [花も美しいエコグリーン植物]として見直そう!」

(りょう)

 

 

 

 

 

見事な藤棚(ノダフジ)。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノダフジ」の花。紫色で花房が大きい!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤマフジ」の花。少し青っぽく花房が小さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フジ」のサヤ(種)。マメ科であることが一目瞭然!