りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,057

 

「レッドウッドの世界 編」・・・100年で95%が消失したレッドウッド!

この項では、「レッドウッド」と人類の関わりについて述べます。

既に提示したように、「レッドウッド」は約2.5億年と言う悠久の時を生き延びてきました。そして、次第に生息地が限定されていったとはいえ、アメリカのカリフォルニア州を中心に、繁栄を誇っていました。そして、ネイティブアメリカンは「レッドウッド」の森を「神の森」「レッドウッド」「神の木」として崇め、共存共栄していました。白人がアメリカにやってきた当初も、事態に大きな変化はありませんでした。

しかし、1849年を境目に状況は急変します。急変の最大の原因はゴールドラッシュでした。アメリカ西部の人口がこれにより爆発的に増加したからです。人口の増加=住宅や生活システムの確保。その結果の自然破壊。アメリカ西部は絵に描いたような、ある意味セオリーどおりの変化を見せました。

「レッドウッド」もその影響を免れることは出来ませんでした。と言うより、最大の被害者となったのです。皮肉なことに巨大であるが故に豊富な木材確保が簡単に出来、しかも材質が優れていたからです。文明の餌食となった「レッドウッド」ですが、それでも当初は1本の伐採に2~3週間もかかり、破壊のスピードは速くありませんでした。しかし、文明人と言うものはこのような状況を決して容認しません。伐採方法に改良を加え、どんどん効率化を図っていっていきました。

結果、白人による伐採開始からわずか100年後の1959年頃には「レッドウッド」の森の何と95%が消失してしまいました。そして、これではいけないとようやく気が付いたのは1960年代に入ってからでした。でも、なんとか間に合ったと言うのが本音でしょうか? 1960年代の後半に入ると「レッドウッド保護連盟」などの保護団体が発足。今の「レッドウッド国立州立公園」の前身である公園も出来、現在に至っているからです。勿論、今自生している「レッドウッド」は完全な保護下にあり、伐採は全面的に禁止されています。

「レッドウッド国立州立公園」の面積は約5,700ha。広大なスペースでは有りますが、白人による伐採が始まる前にはその20倍以上の「レッドウッド」の森があったわけですから、消失面積は少なくとも10万haに達することになります。しかし、現在ならさらに伐採技術が発達しており、破壊はもっと峻烈なものとなっていたでしょう。同時に、熱帯雨林などではそれが引き続き行われていると言う現実から、決して眼をそらすべきではありません。

そこで本日のひと口アドバイス。

「100年で95%が消失したレッドウッドの森! 同じ過ちを繰り返してはならない!」

(りょう)

 

 

 

 

 

昔の「レッドウッド」伐採風景。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」の切り株(天然木)。

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」の森(レッドウッド国立州立公園)。