りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,124

 

「フロントガーデン徹底研究 編」・・・「南欧風」と言うデザインの特性?

「フロントガーデン」の代表的デザインについて検証中です。「モダン系」に続いては「南欧風」を取り上げます。

「南欧風」は南フランスの地域名を使い「プロヴァンス風」と呼ばれることもあります。勿論、地中海の明るい陽光が降り注ぐイメージのデザインで、ギリシャ、フランス・イタリア・スペイン南部、ポルトガル、などに共通性を求めることが出来ます。ただし、実際の同地域の門・塀廻りはハイイメージではあるがかなり粗雑で、漠然とした印象のみを持ち込んだ日本特有のデザインと見るべきでしょう。

また「南欧風」の「フロントガーデン」は、一部例外はあったにせよ、15年ほど前突如と現れ、主流のデザインの1つとなりました。現在は前出の「モダン系」の方が量的には多くなっていますが、地方都市などでは根強い人気があり、1つの代表パターンとして定着した感があります。

デザインの特色としては、①:曲線など柔らかいラインをベースとする ②:淡い暖色系を基調とし明るいイメージ ③:塗り壁がベースとなり、タイル、レンガ、スリット、スクリーンなどで個性化を図ることが多い ④:ただし、最近は過剰な装飾・曲線のものより、全体の構成がややシンプルになりつつある・・・と言った点を上げることができます。

「南欧風」の「フロントガーデン」は、当然のことながら住宅デザインの影響を受けています。大都市部のミニ開発住宅でこのようなデザインが多数採用された、輸入住宅の影響を受けた、などによるものです。ただ、それ以上に一般のお客様、エクステリア関係者が「南欧風」に大きな魅力を感じ、外構デザインがむしろ普及の牽引車となったといった感があります。

デザイン傾向としては、「モダン系」と比較すると、かなり装飾性が強いものとなります。それだけに個性表現や差別化は図りやすくなります。ただ、過剰装飾によるアンバランスな作品が多いのも「南欧風」の大きな特色でもあります。従って、個性的ではあっても全体をどうハイセンスにまとめるか、これが大きなポイントとなります。表現を変えれば、プランをする人間のセンスが作品のセンスに大きな影響を与えると言うことでもあります。

面白いのは、「モダン系」「南欧風」共に日本で特有の進化を遂げた、比較的新しい「フロントガーデン」のデザインである、しかしシンプルと装飾と言う対極の関係にある、と言うことです。ただし、最近は両者ともその良さを部分的に取り入れ、さらなる工夫を加えると言ったチャレンジも見られます。

「フロントガーデン」のデザインそのものが生き物です。従って、確かに様々なデザインタイプがありますが、絶えずその枠を超えた工夫が加えられ、成長し続けているということでしょうか・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

「日本特有の地中海イメージ、それが南欧風? くれぐれも過剰装飾にはご注意を・・・」

(りょう) 

 

 

 

 

「南欧風」:セミクローズスタイル。

 

 

 

 

 

 

「南欧風」:クローズスタイル。

 

 

 

 

 

 

「南欧風」? それとも「中東風」?