りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,875

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・アールデコ〜近・現代建築へ!

欧米のデザイン史を簡単に紹介しています。古典・新古典主義への批判から、19世紀後半になりアールヌーボー(ニューウェーブ)と言う大きな流れが始まり、デザインに決定的ともいえる変化が生まれます。それまでの過剰とも思われる装飾から、より自然なモチーフ・曲線等を取り入れた、大きな変化でした。また、アールヌーボーは単に外見上だけではなく、芸術の在り方自体にも大きな影響を及ぼしました。

さらに、1910年代になると、アールヌーボー時代の作品も装飾性が強すぎる、コストが高すぎる、と言った批判が強まり、さらにシンプルで親しみやすいデザイン・建築物などが登場します。その流れを牽引したのがアールデコと言う美術・装飾に対する思考です。デザイン面の特徴としては、曲線至上主義から、曲線と直線の調和を重視したよりシンプルな構成を上げることが出来ます。

勿論、アールデコ系のデザインが登場した当時としては、最も先鋭的な動きでした。しかし、21世紀の視点でとらえると、古い時代の装飾至上主義、現代の機能美至上主義を結ぶ中間点の作品とも言えます。ただし、単なる橋渡し役ではなく、両極デザインの欠陥を嘲笑うような美しさを誇っています。うがった見方かもしれませんが、無味乾燥な機能美でも、重苦しさを感じる過剰装飾でもなく、最も人間に最も相応しい「チョウドイイデザイン」と言えるのではないでしょうか。

実は、アールデコは1910〜1930年頃と言う、短い時間帯の流行(デザイン傾向)で、1925年のパリ万博(パリ万博装飾美術博覧会)のテーマでもあり、この時期にピークを迎えています。名前も同万博にちなむもので1925年様式と言う別称もあるほど。逆の見方をすれば、一時代のあだ花と言えるかもしれません。しかし、無味乾燥な現代デザイン、現代建築が主流となると逆に評価が高まり、その美しいフォルム・デザイン性を復刻させようという動きも各所で出てきています。

輸入住宅、ややグレードの高い住宅においても、「チョウドイイ」機能美と人間らしい優しさを兼ね備えた、アールデコ調の作品が見直される傾向にあります。当然、それに合わせた外構(フロントガーデン)も絶えることありません。

その後欧米では、モダニズム・機能美重視のデザインが主流を占めるようになります。さらに時代が進むと、コンピュータグラフィックス、CADシステム等の普及が拍車をかけ、特にビル等の建築物は、自然なフォルムから主流デザインが益々遠ざかって行きます。しかし、住宅はこのようなものにアレルギー感情を持つ人も多いのでしょうか、モダン系一辺倒と言う状態には至っていません。

以上を振り返ると、欧米のデザインは、装飾美〜機能美〜多様化時代。王侯貴族〜王侯貴族+富裕層〜大衆。この2つの流れであったということが出来るでしょう。そして、文化度の高い国ほど、デザインの楽しさを暮らしの中に取り入れている人が多いとも言えます。

そこで本日のひと口アドバイス。

「人間にとりチョウドイイデザイン・・・それがアールデコであるのかも?」

(りょう)

 

 

 

 

 

アールデコの代表的建築デザイン:T&Gドーム

 

 

 

 

 

 

現代建築:ドイツ

 

 

 

 

 

 

日本のモダン系住宅