みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,320

 「現代住宅植栽考」 第40回・・・別格推奨樹木「イロハモミジ」!

人気のシンボルツリー。常緑樹、落葉樹ともほぼ紹介を終えました。ただし、最後に筆者の推奨樹木としてイロハモミジを追加しておきます。現代住宅においてはイロハモミジの使用頻度はむしろ減っています。従って、人気の樹木とは言い難い物があります。しかし、モダン系の住宅が増えた昨今であればこそ、「イロハモミジに再びスポットをあてるべきだ」筆者はそう考えるから・・・

イロハモミジはムクロジ科カエデ属の落葉高木で、別名イロハカエデとも。学名は「Acer(カエデ属) palmatum」。自生地は、朝鮮半島、中国、台湾、それに本州以南のほぼ日本全国。しかも、低い山間部〜標高1,000近くまで幅広い地域で自生しており、我が国で最も多くみられるカエデでもあります。だからこそ万葉の世から現在に至るまで、長く愛され続けて来ました。

従って、樹木の特色を改めて記すまでも無いでしょうが、樹高15m×幹の直系80㎝程度にまで成長する、雌雄同株、葉の形はオオモミジ・ヤマモミジ(イロハモミジの変種・オオモミジの変種と言う2説がある)などと非常に似ているが一回り小さい、4〜5月にあまり目立たない小さな花を付ける、1.5㎝程度の双翌果(実)を付けヘリコプターのように回転しながら飛び散る・・・などを補足提示しておきます。また、古くから親しまれている樹木だけに、イロハモミジから改良された園芸種が多数出回り、盆栽等の愛好家の人気も高い事は周知の通り。

庭木として注目すべき点は、どこにでもある樹木であるが葉の形状に代表されるように姿が個性的(一味違ったスッキリ樹形+株立有り)、書院造・数寄屋造などモダン系の伝統建築物との相性抜群(和洋を問わず現代のモダン系とも相性抜群)、四季の変化を楽しむことが出来る(特に紅葉が魅力的)、成長が比較的遅く管理も楽・・・など。

要するに、和の代表のように思われていますが、モダン系現代住宅に最もよく合う樹木だと言う事。しかも、この点に気づいている人は意外に少ないため、外構・ガーデンの差別化・個性化にもつながります。ぜひ試してみて下さい。

なお、モミジ(紅葉)と言う言葉には3種の解釈があります。1つ目は、紅葉(コウヨウ)そのものを表す。2つ目は、カエデ属の総称。3つ目は、イロハモミジ・オオモミジ・ヤマモミジの(独特の共通葉形植物)の総称。以上です。そして、此の3種の使い分けが、但し書きを付ける事も無く日常的に行われています。にもかかわらず、日本人であれば解釈を間違う事も無く、普通に受け入れている事は周知の通り。

例えば「紅葉(モミジ)狩りに行く」と言えば、「紅葉を見に行く」と言う事で、必ずしもイロハモミジ等の著名な寺院に行くとは限りません。そこに、理屈とは別の文化が・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「過去を違った視点で現代に蘇らせる! イロハモミジにはそんな魅力が!」

(みずき りょう)

40:庭木(株立)

 

 

 

 

 

 

イロハモミジの庭木(株立)

40:葉

 

 

 

 

 

特有の葉の形状

40:新葉と花

 

 

 

 

 

新葉と花

40:種

 

 

 

 

 

双翼果

40:葉(紅葉)

 

 

 

 

 

紅葉

40:成木

 

 

 

 

 

 

イロハモミジの成木