りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,274
「天然素材の魅力」第7回・・・「イタウバ」「クマル」とは?
南米産の「ハードウッド類」を紹介中。「イペ」「アマゾンジャラ」に続いては、「イタウバ」と「クマル」を取り上げます。ただし、両者とも日本での実績(データ)が乏しく、どの程度の耐久性・品質を有しているのか疑問点も多く残されています。
<期待度NO1「イタウバ」>
「イタウバ」に関する資料:産地=ブラジルとその周辺。樹種=クスノキ科の常緑広葉樹<学名=「Mezilaurus(属) itauba」または「Mezilaurus spp(特定できない)」。つまり、Mezilaurus属のitaubaと言う樹木、または、複数のMezilaurus属の樹木が「イタウバ」として流通していると言う事であろう>。気乾比重=0.91前後。
つまり「イタウバ」とは、後項で紹介するアジア産の優良「ハードウッド類」「ウリン」と同じ系統の樹木。このため「アマゾンウリン」と言った名前で販売されているケースもあります。ただし、分布エリア・属も全く異なるため、どの程度の共通性を持つは不明。
その他の特色としては、 ①:原木から判断し、比較的大木に育つと推定される ②:ソリ・ヒネリが少ない ③:色はブラウン系だがバラつきが多い ④:樹脂に油分が多く木肌も木目細かい ⑤:安定供給可能で価格も比較的安い・・・など。
以上の特色から、「ウリン」などよりはやや耐久性で劣るが、<エクステリア材としてはかなり優れている>と推定されます。従って期待度も高く、これまでメインで使ってきた「ハードウッド類」の安定供給が困難に成る・価格高騰、などの支障が出た時は「イタウバ」・・・と言った、期待度NO1の木材とも言われています。
原産地での「イタウバ」(輸送中)
「イタウバ」の原木
「イタウバ」の板材
<難題が多い「クマル」>
「クマル」に関する資料:産地=ブラジルとその周辺。樹種=マメ科ディプテリス属(?)の常緑広葉樹<学名=「Dipteris(属) cumaru(?)」または「Dipteris spp(特定できない)。従って、Dipteris属のcumaruと言う樹木か、Dipteris属の複数の樹木が「クマル」として販売されていると言う事であろう>。気乾比重=1.0前後。
「クマル」は「イペシャンペーン」「イペグランデ」などの別名(流通名)を持っています。これは、「イペ」に外見が似ているため。従って、価格が高騰している「イペ」の代替品として注目されました。しかし、木肌が粗い、アバレが大きい(ソリ・ヒネリ・ヒビワレ)などの欠陥もあるようで、「イタウバ」ほど注目されてはいません。気乾比重がかなり重く、耐久性はありそうですが、日本での使用実績も少なく、この点でも不安が残ります。資源量は豊富で、安定供給・価格面での問題はなさそうですが、まだまだ?部分が多い「ハードウッド」と言えるでしょう。
「クマル」:木肌が粗くソリ・ヒネリも大きい
そこで本日の一口アドバイス。
「謎が多いイタウバとクマル。でも、イタウバは期待度NO1のハードウッド?」
(みずき りょう)