みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,279

「天然素材の魅力」第12回・・・品質+eco=「レッドウッド」②!

「レッドウッド」の分類変化について述べました。なお、補足するなら「セコイア」の仲間は、かつて北半球で大発展したとの事。その証拠として、大型のシダ類とともに石炭の主原料となり、大量の化石が出てきています。氷河期の寒冷化に耐えられず、多くが絶滅したのではないでしょうか。勿論、それに輪をかけたのが人間の乱伐であったことは言うまでもありません。だからこそ、現在は(少なくとも主産地アメリカでは)自然林の伐採は全面禁止されています。従って、出荷されている「レッドウッド(セコイア)」は全て栽培木。だから、エコ素材!

<エクステリア材「レッドウッド」とは>

「レッドウッド」に関する資料:産地=アメリカ・カリフォルニア州(全て栽培林。原始林も同じ)。名称=「レッドウッド」or「セコイア」。樹種=ヒノキ科セコイア属センペルビレンズ(常緑針葉樹)<学名=Sequia(属) senpervirens>。気乾比重=0.53前後。

「レッドウッド(セコイア)」の特徴としては、①:成長すると100m以上の樹高(世界1)となる ②:ただし、木材として使われるのは全て栽培木 ③:栽培木の成長は早い(30年で幹直系50㎝程度) ④:樹脂に大量のタンニンを含み、木材も赤い(「レッドウッド」と言う名称の由来) ⑤:ソリ・ヒネリが少なく、樹脂に油分が少なく燃えにくい・・・などを上げる事が出来ます。

上記の特性から「レッドウッド」をエクステリア材と言う視点で見た場合、耐久性に優れている(一般評価では屋外使用で10~20年。ただし、一定のメンテナンスを行えばより長く使う事も可能)、ソリ・ヒネリが少なく加工性も抜群、特有の柔らかく温かみのある風合いを持つ、完全エコ素材・・・など非常に優れたものである事が分かります。なお、「レッドウッド」と「レッドシーダー」を混同する人が多いのですが、「レッドシーダー」は米スギ(分類的には「スギ」より「ヒノキ」に近い)でまったくの別物。品質的にも筆者の所見ではありますが「レッドウッド」のほうがかなり優れています。

以上を前提に、「レッドウッド」と「ハードウッド類」を比較すると、以下のような見解が得られます。両者とも優れたエクステリア用天然木である、耐久性に置いては「ハードウッド類」の方が有利、加工性・風合い等については「レッドウッド」の方に軍配、エコと言う視点では断然「レッドウッド」、塗装を好む人は「レッドウッド」が良い(と言うより、特殊例を除き「ハードウッド類」は塗装しない方が良い)。

ここから分かることは、「レッドウッド」or「ハードウッド類」の選択ポイントは、複雑な加工を求められる時、エコを重視する時は「レッドウッド」、耐久性第一の場合は「ハードウッド類」がお勧め。いずれにしても、優れたエクステリアショップに相談し、適切な選択を・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「複雑な加工性が求められる・エコを重視。こんな時はレッドウッドが断然有利!」

(みずき りょう)

12:立体トラス

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」を使った木製カーポート。このような複雑な加工には極めて有利!

12:目隠し

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」製の目隠しフェンス。より複雑な形状対応も可能で、目隠し向きの素材とも言える。

12:板材

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」の板材。タンニンが大量に含まれ赤みが強い。若干「スギ」の芯材に似ている。

12:栽培林

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」の栽培林。完全管理され伐採した分は追加植林が義務付けられている。