みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,280

「天然材の魅力」第13回・・・「サイプレス」の特性と可能性?

エクステリア材として適した天然木として「ハードウッド類」と「レッドウッド」を紹介しました。続いて、この項で取り上げるのは、最近よく耳にするようになった「サイプレス」。さてその正体&実態は?

<日本ではまだまだ?「サイプレス」>

「サイプレス」に関する資料:産地=オーストラリア(主に、ニューサウスウェールズ州北部・クイーンランド州南部)。流通名=「サイプレス」「豪州ヒノキ」。樹種=ヒノキ科カリトリス属の常緑針葉樹<学名=Callitris(属) glauca>。気乾比重=0.7前後。

実は英語で「サイプレス(Cypress)」と言う呼称は、学術的分類と木材の流通名では全く解釈が異なります。学術的には<ヒノキ科イトスギ属>の総称、日本での木材流通名では「サイプレス」=「豪州ヒノキ」となるからです。勿論、この項で指し示す「サイプレス」とは「豪州ヒノキ」。つまり、オーストラリアで産出するのヒノキの仲間事。ただし、オーストラリアでは17種ものヒノキ類が生息しているようですが、その中での木材「サイプレス」は、ニューサウスウェールズ州北部とクイーンズランド南部産(その大部分が両州管理の広大な自然林から産出)で、樹種も「カリトリス属グラウカ(glauca)」に限定されています。

「サイプレス」の特徴としては、1:外見・香り(芳香を放つ)等はヒノキなどの針葉樹と似ている 2:ただし硬くて重いく耐久力がありシロアリにも強い 3:自然林産であるが完全管理されたエコ素材・・・などを上げることが出来ます。

エクステリア材として「サイプレス」を見た場合、特に重要なのが2と3。そこで、この点についてもう少し詳しく述べます。まず、2の耐久性と耐防蟻性。耐久性については、地元オーストラリアでは「極めて腐りにくい木材」として知られており、建物の土台などとして長い実績と評価を持っています。ただ、日本でエクステリア材として使われたた例はまだ少なく、データ不足と言うのが実情。気乾比重が針葉樹としては重く(サイプレス=0.7前後、ヒノキ=0.41前後、スギ=0.38前後、レッドシーダー=0.33前後、レッドウッド=0.51前後)、日本の気候でも腐りにくいであろうと推定できますが、やはり現状では??? 加えて、使用量が少ないため価格面でも割高。一方、シロアリに対しては極めて強いと言う評価がほぼ確定済み。

エコと言う面では、自然林からの伐採ではありますが、資源量が膨大(写真参照)で、大半がオーストラリア政府(州)管理林からの伐採で、全く問題はありません。

そこで本日の一口アドバイス。

「サイプレスは魅力的。しかし、日本での実績が少なく解明すべき課題も多い!」

(みずき りょう)

13:ゴッホ

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッホの「イトスギ」:学術的には「サイプレス」=イトスギ属の総称。従って、木材の「サイプレス」とは別物

13:州林

 

 

 

 

 

 

「サイプレス」の原生林:大半をオーストラリア政府(州)が所有・管理する広大な自然林から産出

13:サイプレス

 

 

 

 

樹木「サイプレス」(豪州ヒノキ)

13:原木

 

 

 

 

 

 

「サイプレス」の原木

13:角材板材

 

 

 

 

 

 

 

 

「サイプレス」の角材と板材