みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,281

「天然素材の魅力」第14回・・・「サーモウッド」の長所&疑問点?

エクステリア材として推奨できる天然木を紹介中。ただしここからは、天然木と新しい科学技術をドッキングした新素材3種(「サーモウッド」「エコアールウッド」「樹脂木」)を紹介。まずは「サーモウッド」から・・・

<「サーモウッド」の適正な使い方とは?>

「サーモウッド」に関する資料:開発国=フィンランド。製造方法=天然木(主に針葉樹)を180〜220°で燻蒸乾燥し、水分を抜き半炭化木とする。特徴=多くの木材に対応・耐久性アップ(腐りにくい)・アバレ(ソリ・ヒネリ・ヒビワレ、等)が少ない、等。

「サーモウッド」とは前述のごとく、木材を特殊装置に入れ燻蒸乾燥した製品。元の木材より腐りにくくアバレも少なくなるため、エクステリア用木材として最近急速に注目度が高まっています。また、国産材(主に、スギ・マツ)の新用途開発に繋がるため、官民合同で生産拠点が造られ(各県の林業組合・有力木材企業、等)、地方の産業振興に結び付けようとする活発な動きが見られます。

その反面、お役所感覚が強く、対応が遅い、コスト面のチェックがずさん・・・などの欠陥も露呈し、価格を落とすため輸入材(パイン、スプルース、ファー、等)を原材料とした製品も出回るなど、皮肉な動きも出始めています。勿論、これでは「サーモウッド」導入の本来に意味が失われてしまいます。

では「サーモウッド」に欠陥は無いのでしょうか? 残念ながら、かなり多くの疑問が残っています。優良「ハードウッド」(ウリン・イペ、等)よりは耐久面で劣る可能性が強い、強度的に不安(材料に粘りが少なく脆い)、湿気・紫外線に意外と弱い可能性有、価格がやや高い、エクステリア材としての国内データが少ない・・・などです。従って、筆者の所見ですが、使用の際、①:強度のかかる部分のビス打ちは避けるべき ②:屋根・デッキなど特に耐久力・紫外線の影響・優れた強度が求められる部分での使用を避ける、と言った配慮が必要ではないでしょうか。

以上の条件を考慮した時、「サーモウッド」の非常に有効な使用方法が浮かび上がりました。それは、「スーパーフェンスライト」と言う商品の面材(パネル材)としての使用です。理由は、ビス打ち不要+強度をあまり求められない+ブロック上の使用が主体で湿気の影響が比較的少ない+2㎝厚の薄板を使うためコスト面の影響が少ない(大量の木材を使う必要が無い)、など。従ってeggとその加盟企業では、まず「サーモウッド」を「スーパーフェンスライト」の面材として使用し、データを取りながら少しずつ用途を拡大して行く予定です。ご期待ください!

そこで本日の一口アドバイス。

「期待と疑問が交錯=サーモウッド。だから、最初にスーパーフェンスライトから」

(みずき りょう)

20:乾燥プラント

 

 

 

 

 

 

写真上:出荷を待つ「サーモウッド」

写真下:「サーモウッド」製造用プラント

20:色の変化

 

 

燻蒸温度による「サーモウッド」の品質差。通常の製造温度は180〜220°だが、高温の方が品質が良くなると言われている。

20:板材

 

 

 

 

 

 

「サーモウッド」の板材。黒味を帯、まさに天然木と炭の中間?

14:SFライト

 

 

 

 

「スーパーフェンスライト」。面材(パネル材)として「サーモウッド」を使用。まさに長所を活かした活用方法!