みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2.282

「天然素材の魅力」第15回・・・「エコアコールウッド」って何だ?

前項の「サーモウッド」に続き、この項では「エコアコールウッド」を紹介。この商品も天然木を加工しより屋外使用向きにしたもの。従って、正確には自然素材ではありませんが、あくまでも補強的意味合いが強く、ここではその一環商品として取り上げます。

<産学共同で生まれた「エコアコールウッド」>

「エコアコールウッド」に関する資料:開発国=日本(九州大学・樋口光男教授×九州木材工業)。製造元=九州木材工業。定義=低分子フェノール樹脂圧力注入材のブランド名。特徴=国産材を有効活用できる(エコ&産業促進)、耐久性に優れる、アバレ(ソリ・ヒネリ・ヒビワレ、等)が少ない、シロアリ・フナムシ等の食害に強い、人体に無害、等。

「エコアコールウッド」とは、九州大学と九州木材工業(福岡県筑後市)が協力し開発・製造・販売を行っている、低分子フェノール樹脂圧力注入材。産学共同で開発・販売されている期待の商品と言えるでしょう。複数の国産材を使う事が出来、品質だけでは無くeco・地場産業振興に役立つ可能性を持っているからです。

開発過程に置いては、フェノール系樹脂を注入しても納得に行く効果が当初は得られなかった(低分子化する事で問題解決)、ムラが出来納得の行く注入状態にならなかった(各種実験を通じ解決)、などかなり苦労があったようですが、ほぼ解決し商品化に成功したと言う事。

商品の特徴としては、上記の通りで、かなり魅力のある加工木材であることが分かります。また、大学との共同開発商品で、屋外使用時のデータが充実している事も信用性を増す要因となっています。ただ、実験段階でのデータが主力、使用実績が公共物件主体(厳島神社の基礎・土台部、出雲大社、などは特に有名)、と言うのが実情で、住宅用エクステリアに使った場合、どのような結果を示すかについては不明点が多いと言わざるを得ません。

また価格も、大型材は使用可能範囲だが、小型材は極端に割高となり、この点を理解し有効活用する必要があります。筆者の見解では、デッキ等は価格対応可能(品質面では疑問も)だが、目隠しフェンス等については高額すぎる・・・このように感じます。現販売状況(詳細不明)を見ると、製造拠点は九州木材工業限定のようで、全国で許諾生産拠点が出来、需要量が増えれば価格も下がり、より可能性が高まるのではないでしょうか。

そこで本日の一口アドバイス。

「期待度が非常に高いエコアコールウッド! だが、製造・販売システムに課題も・・・」

(みずき りょう)

15:樹脂注入

 

 

 

 

 

「エコアコールウッド」の製造風景(フェノール樹脂の圧力注入)

15:エコアコール材

 

 

 

 

 

出荷を待つ「エコアコールウッド」

15:宮島

 

 

 

 

 

「エコアコールウッド」を使い改修された「厳島神社」

15:宮島基礎

 

 

「エコアコールウッド」使用部

15:出雲大社

 

 

 

 

 

「出雲大社」の回収にも「エコアコールウッド」が・・・