みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ    NO3,013

「天然素材の魅力」第46回・・・手頃な「マホニア属」の2系統②!

前項ではマホニア属(ヒイラギナンテン属)の中で<ヒイラギとよく似た葉を持つタイプ>の植物を紹介。この項では、近樹種ではあるが葉が細く柔らかいタイプの植物を取り上げます。

<シャープな樹形で現代住宅ではナンテン類の主役=「ホソバヒイラギナンテン」>

「ホソバヒイラギナンテン」=マホニア(Mahonia)属(=ヒイラギナンテン属)の中で葉が細く柔らかいタイプの総称。代表種で広く普及しているのが「マホニア・コンフーサ(学名「Mahonia confusa」。中国・台湾原産。花・実等の特色は「ヒイラギナンテン」とほぼ同じ。「第45回」参照)。「ナリヒラナンテン」と言う呼称もよく使われるが、単なる別名・より葉が細く長い優良種、などの諸説あり。

「ホソバヒイラギナンテン」の仲間についても、一般的な「ヒイラギナンテン」と同様、その園芸的分類には諸説あります。①:「ホソバヒイラギナンテン」=「マホニア・コンフーサ」 ②:「ホソバヒイラギナンテン」=「マホニア・コンフーサ」とその近樹種の総称 ③:「ホソバヒイラギナンテン」=「ナリヒラナンテン」 ④:「ナリヒラナンテン」=「ホソバヒイラギナンテン」の優良種(より葉が細く長いタイプ。従って、「ナリヒラナンテン」は「マホニア・コンフーサ」の改良園芸種と言う説も・・・)、等々。

どれを取っても、園芸・植木の世界を対象としたもので、学術的なものでは無いのであまりこだわる必要も無いでしょう。従って、この「天然素材の魅力」シリーズでは<「ホソバヒイラギナンテン」=ホソバ系マホニア属の総称。「ナリヒラナンテン」=より葉が細く長いタイプ>と定義しておきます。なお、葉の形状を除けばホソバ系と一般的な「ヒイラギナンテン」の特徴は当然のことながら、非常に良く似ています。

「ホソバヒイラギナンテン」と「ヒイラギナンテン」は前述のごとく近樹種。しかし、かなり印象は異なります。葉が単に細いだけではなく、柔らかくて刺も殆ど目立たないため。

また、ススキなどを見れば分かる通り、細くて長い葉を持つ植物は、繊細でかつシャープな印象を受けます。「ヒイラギナンテン」の仲間も同様で、ホソバ系統はモダン系の住宅にもピッタリ。このため、「ナンテン」の仲間の中では近年最も多用されるようになってきており、その人気はますます高まってくるものと予想されます。特に門廻り等、目立つ場所・人に触れやすい場所でサブツリー(副木・低木)として使う場合は、「ホソバヒイラギナンテン」がよりお勧めと言う結果となるのは当然。

また、「ホソバヒイラギナンテン」系統の植物は、入手が簡単・価格が手頃・取り扱いやすい・管理も比較的楽・・・などと言った、庭木として有利な副産的特性も多く備えています。だからこそ、お気に入りのシンボルツリー横・根際などに使ってみては・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「今やナンテン類の主流=「ホソバヒイラギナンテン」! 門廻りなどにいかが・・・」

(みずき りょう)

46:コンフーサ樹形

 

 

 

 

 

 

「ホソバヒイラギナンテン」の樹形

46:施工例

 

 

 

 

 

住宅での植栽例

 

46:コンフーサ葉

 

 

 

 

 

 

 

一般的な「マホニア・コンフーサ」の葉

 

46:ナリヒラナンテン

 

 

 

 

 

葉が長いタイプを「ナリヒラナンテン」とする説も?