みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,024

「天然素材の魅力」第57回・・・パープル系NO1「セトクレアセア」!

匍匐性(地を這うタイプ)グランドカバーについて述べてきました。実はグランドカバーと呼ばれる草花はこのタイプのみを指す場合もあります。しかし、現実にはそれ以外の草花・樹木と組み合わせ植えるケースの方が多く、地植えにする草花全てグランドカバーとする場合もあります。この「天然素材の魅力」シリーズでは後者の定義を採用。それに従い、この項からは匍匐性以外のグランドカバー(ポイント植栽用)を取り上げます。ただし、その品種はほぼ無限。従って、葉物・宿根or多年草に限定し、その中から筆者の推奨商品のみ取り上げます。

<紫の貴公子「セトクレアセア(パープル・ハート)」>

「セトクレアセア」=ツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)の多年草(園芸種)。他の商品名「パープル・ハート」「ムラサキゴテン」など。学名は「Tradescantia(属) pallida’purple heart’」。原産地はメキシコ(ただし、日本で販売されているものは全て園芸種)。草丈50〜60㎝。花期は夏で花は薄紫色。日本に導入されたのは1955年。

「セトクレアセア」は比較的新しく日本に導入(1955年)された草花です。10年ほど前から公園などで目にするようになり、出色した赤紫色の葉・茎などの色に注目が集まりました。現在では、急速に普及し住宅の庭・鉢植えも含め、各所で目にするようになり、カラーリーフ・ポイント植栽用のグランドカバーなどとしてもおなじみになりました。また、ツユクサの仲間全体に言える事ですが、草姿もシャープでモダン系住宅にもよく合います。

「セトクレアセア」はメキシコ原産の多年草で、育てやすく、水切れにも強いため、今後ますます多用されるようになるでしょう。ただし、日本で販売されているものは全て園芸種です。当初流通名として使用されていた「セトクレアセア」は、独立した属名として使われていたため。しかし、現在はムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)に編入された事・園芸種である事などから「パープル・ハート」と呼ばれることの方が多いかもしれません。

最近、中南米原産の植物が多数登場するようになりました。まだ普及度の低い物が残されている、かつ栽培が楽(剛健種)なものが多い・・・などの理由によります。ムラサキツユクサの仲間もその一つで、「セトクレアセア」以外にも、基本種とも言える「ムラサキツユクサ」、その他「ムラサキオモト」「セトクレアセアの斑入り種」など、より注目すべきものが増えてくるでしょう。ただしそれらは、和草と比較し圧倒的とも言える繁殖力を持つものが少なくありません。だからこそ、野生化しないように注意し栽培する事もお忘れなく!

そこで本日の一口アドバイス。

「ひときわ目を引く<紫の貴公子・セトクレアセア>。お宅のガーデンにもぜひ・・・」

(みずき りょう)

 

57:セトクレアセア

 

 

 

 

 

「セトクレアセア」(パープル・ハート)

 

 

57:花

 

 

 

 

 

花(花も薄紫色)

 

 

57:葉

 

 

 

 

 

葉(濃い紫〜赤紫色)

 

 

57:ムラサキツユクサ

 

 

 

 

 

「ムラサキツユクサ」

 

 

57:ムラサキオモト

 

 

 

 

「ムラサキオモト」