みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,051

「プライベートガーデン研究」第17回・・・「テラス(屋根)」の正体とは?

「隣接型ガーデンステージ」の土間・床選びについて詳述しました。続いて、このコーナーの主題とも言うべき、メイン設置物の特性について述べます。パーゴラ、テラス(屋根)、サンルーム(テラスルーム)、ガーデンルーム、コンサバトリー、などがその主力対象で、順次取り上げていく事にします。ただし、パーゴラについては「独立型ガーデンステージ」のコーナーで取り上げましたので、テラス(屋根)」からスタート。

<自然とのふれあい重視ならテラス屋根がお勧め!>

「テラス(屋根)」の特性について触れる前に、その定義について。「テラス(屋根)」とはエクステリア業界用語で、実は辞書に載っている言葉の意味(建物から張り出した壇上の土間・フロア)とは異なります。具体的には一般用語のテラス上に設置される簡易屋根を指します。従って、木材と波板を使った簡易屋根も「テラス(屋根)」の仲間と言えます(と言うより原点)。

実は、40年ほど前に、アルミ製の簡易屋根、同2階に設置する物干台状の設置物が登場し、大ヒットしました。この時、これらの商品を何と呼べばよいのか不明確であったため、エクステリアのメーカーが、簡易屋根=テラス、地面から柱を建て2回階の窓前に設置する物=バルコニー(又は柱建て式バルコニー)、同系で屋根上に設置する物=ベランダ(又は屋根置き式バルコニー)と呼ぶ事にし、現在に至っています。

バルコニー(柱建て式バルコニー)、ベランダ(屋根置き式バルコニー)に関しては、その後需要が急減。ただし、「テラス」に関しては根強い人気があり、むしろ、商品バラエティーも豊富になり、発展登場商品とさえ言えます。従って、「テラス(屋根)」に関しては一般用語としてほぼ定着したとも言えます。なお、屋根(テラス屋根)と言う言葉を付けているのは、本来のテラス(土間・床)と混乱が無いようにする為。

補足するなら、骨格は「パーゴラ」とほぼ同じでも、波板・ポリカ板・テントキャンバス等の屋根材を張った場合は「テラス(屋根)」となります。また、昔の「テラス(屋根)」はアルミ型材(骨格)+波板屋根と言う形態でした。しかし、よりデザイン性をアップさせるため、最近ではアルミ型材(骨格)+ポリカ屋根が標準タイプとなっています。

では、「テラス(屋根)」と、サンルーム(テラスルーム)、ガーデンルーム等との違いは? 実は明確な線引きはありません(むしろ、中間的商品も増えている)。従って、感覚的にオープン度の高いタイプ≒「テラス屋根」、ルーム的イメージの強いタイプ≒**ルームと呼んでいる。そう答える以外にありません。

そこで本日の一口アドバイス。

「テラス(屋根)とはエクステリア業界用語。でも、次第に一般にも浸透!」

(みずき りょう)

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一般的なテラス屋根(アールタイプ)・・・このように、テラス土間上に設置される簡易屋根を「テラス(屋根)」と呼ぶ。近年では、よりハイグレードなもの、ルーム系との中間タイプなど、商品群も豊富に・・・

 

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バルコニー(柱建て式バルコニー)・・・既存の建物に簡単に設置できるため、一時期非常に人気のある商品となった。しかし、住宅本体の構造変化もあり、設置量は激減。

 

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ベランダ(屋根置き式バルコニー)・・・既存屋根上に設置するタイプ。和式or 和洋折衷式の住宅に多数設置された。しかし、柱建て式同様、住宅自体の変化に伴い激減。