みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,080

「納得!エクステリア講座」第12回・・・「積算書」が語る真実とは?

プラン作成ポイントに続き、「積算書」について検証していきます。

<あまりにも多い「積算書」のマジック>

「積算」及び「積算書」はあらゆる分野で使われています。身近な車関連でも、車検時・新車購入時など、いつも「積算書」が作成され提示されます。でも、スーパーマーケットで野菜や肉を買う時「積算書」は存在しません。なぜでしょうか? そう、答えは明快です。前者の場合<見ただけでは分からない(あるいは見ることが出来ない)部分がある>から。後者の場合は<見ただけでほぼ全てが分かる>からです。

つまり、「積算書」とは<見えない部分を見えるようにする>ために作成されるものです。表現を変えれば<「積算書」=内容と価格の確認書>と言う事に成ります。ただ、ここで大きな問題が残ります。実際には「積算書」を見ても内容と価格が良く分からないものが多いと言う事。その理由には2つあります。1つ目は、内容が専門的で一般の方には理解しづらいと言う点。2つ目は、「積算書」自体に不備がある場合。しかも、実際にはどちらかの理由で、<良く分からない「積算書」の方が圧倒的に多い>と言う事です。

例えば、前出の車検の場合。さすがに不備は少ないようですが、100%その意味が理解できる人は殆どいないでしょう。理解できるほど車の構造に関する知識が無いからです。従って殆どの人は、最終価格の確認のみor補足的に行われる担当者の説明でアバウトに内容を知り契約(発注)と言う事になります。

何も、それが悪いと言っているのではありません。むしろ、車検後トラブルとなる事など殆どないし、そのような現実的対応でOKと言うべきです。表現を変えるなら、「積算書」はそれほど当てになるものでは無いと言う事。増して、エクステリアを含む住宅関連は、「積算書」の中でもっとも複雑な部類に属します。場合によってはレベルの低い業者が作成した、不備の多い「積算書」であるケースも・・・

だからこそ、<相見積もりだけを多数取り、発注先を決定する>と言う作業には殆ど意味がありません。いや、むしろ大きな落とし穴にはまる危険性の方が高いと言えます。特に、昨今のネット社会では、そのような方法による失敗が急増しており、お客様の不利益となっている事例が急増しています。

だからと言って、相見積もりを取るなと言っているのではありません。むしろ、相見積もりは必要でさえあります。でも、正しい比較対象のために取るべきもの。では、<正しい比較対象方法(相見積もり)とは何か>。次項で詳述します。

そこで本日の一口アドバイス。

「積算書で分かるものは実は少ない! 特にエクステリアの積算は複雑で判別困難!」

(みずき りょう)

12:プラン

 

 

 

 

 

 

 

エクステリアのプラン例(イメージパース)・・・エクステリアは全てオーダー品。たとえ別の業者に図面を見せ見積もりを取っても、条件が異なり殆ど意味が無い。また、そのような行動自体法律違反で、それを了承する業者は極めて低レベル。

 

12:ブロック

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロックの構造図・・・このように、エクステリアには多くの目に見えない部分がある。通常、その部分は図面にも記されていない。従って、積算価格だけで本当に安いか高いかを判断すること自体不可能!

 

12:積算書

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エクステリアの積算書(部分)・・・エクステリアの積算書はかなり複雑。しかも、記載方法にも大きな差がある。従って、積算書だけを多数取り寄せ(相見積もり)ても、殆ど意味が無い。いや、むしろ最も危険な行為でさえある。