みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,083

「納得!エクステリア講座」第15回・・・フロントガーデンの比率が高い理由?

第7章 フロントガーデン(外構)のプランポイント

今回から、フロントガーデンのプラン作成ポイントについて検証します。なお、日本では<フロントガーデン≒外構>と考えて良いため、以後はなじみ深い外構と言う言葉を使います。

<外構の対象空間>

エクステリア(住まいの屋外空間)の中で、外構と呼ばれる部分は、メインの道路に接している空間を指します。ただし、同部分でも目隠し塀(フェンス)などで囲われた内部は、次項の対象となるプライベートガーデンと考えた方が良く、同部は除外します。

となると、門廻り、メインアプローチ(道路〜玄関までの通路)、塀(フェンス)とその周辺(目隠し塀の場合はその前面)、メイン道路側のその他の空間、カースペースなどが外構の主力対象となります。同時に、<外構の場合は敷地内でありながら、公共的側面も含まれる>と言う特性も忘れてはなりません。

そして、日本の最大の特色として、<欧米と比較するとエクステリアの中で外構の占める比率が高い>という点を挙げることが出来ます。理由は、A:新築外構の市場に秘める比率が高い B:敷地に余裕がある場合でも、家屋の位置を後ろに持っていき、前面部を大きくとる場合が増えている C:カースペースの大型化・・・など。その背景には、プライベートガーデンがおろそかにされると言う、外廻り(ガーデンライフ)に対する意識の低さも影響していますが、以上が偽らざる我が国の実情です。

ここで、<外構の公共性>について補足しておきます。この点については、法的or 順法的意味合い同義的意味合いに大別することが出来ます。前者の場合は、国・市町村・地域により決め事があり、それに従う事が必要なケース。道路交通法・建築基準法・風致地区・緑化率・地域協定などがその主力対象となりますが、要するに自分の土地であっても守らなければならない制約が多数あると言う事。詳細を記すと、あまりにも煩雑で難しくなるため省略しますが、外構を大きく触る場合は、プラン作成前に必ずプロ(エクステリア専門ショップ)に確認してください。

後者の場合はあくまで<道義的問題>で違反しても罰せられることはありません。しかし、外構には周辺環境を守ると言う大きな役割があり、ご近所に迷惑を掛けない、同なるべく好印象を残す・・・と言った心がけが必要です。極端な例ですが、自分の土地だと言って<草ぼうぼうで放置する>と言った事は絶対に避けなくてはなりません。そこまでいかなくても、なるべく美しく保つと言った心使いが必要であることは、言うまでもありません。

そこで本日の一口アドバイス。

「外構は半公共的空間! この点を絶えず考慮しプランを作成しよう!」

(みずき りょう)

15:プレゼン

 

 

 

 

 

 

 

新築外構プラン(プライベートガーデン部を含む)・・・外構全体のプランを作成する場合は、お客様の要望を大切にし纏めるが、同時に、法律や地域の協定、周辺の環境保持も考慮し作成。優れたプレゼンには、その全てが分かり易く提示されている。

 

15:パース

 

 

 

 

 

 

 

オープン外構のイメージパース・・・一見デザインだけを考えプランされているようだが、法的ポイント、道路との兼ね合い、街の景観なども考慮し、初めて適切な外構となる。

 

15:施工例

 

 

 

 

 

 

 

地方都市の外構施工例・・・このように敷地に余裕があっても、建物(家屋)配置を奥に持ってくる例が多い。この時、どの様なゾーニング(全体配列)をどう行うかが、大きなポイントとなる。