みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,087

「納得!エクステリア講座」第19回・・・「南欧風」デザインの特性と魅力!

エクステリア(住まいの屋外空間)のデザイン分類について検証中。今回は、「南欧風」を取り上げます。

<地中海の風、それは永遠の憧れ!>

既に述べた通り、現在、エクステリアデザインの主流派は「モダン系」です。ただそれ以前(20年程前)は、いわゆる「南欧風」が大流行しました。また、「南欧風」は<すたれた>と言う事では無く、根強いファンがいて、今も着実に一定規模の市場があります。また、ヨーロッパの地中海沿岸の代表的エリア・プロヴァンス地方の名を取り、「プロヴァンス風」と呼ぶ事もあるのは周知の通り。

補足するなら、ヨーロッパの地中海沿岸(≒南欧)エリアは、イスラム文化との関連性が深く(何度かイスラムからの侵略を受け)、次に取り上げる「中東風」とも相通じる部分も多いデザインとも言えます。

「南欧風」を語るには、デザイン特性の前に基本イメージをしっかりと頭に叩き込むことが重要。地中海の風・陽光・煌めく海岸線・広大な平地が少ない・素朴な暮らし・・・などです。そして、このイメージは<イギリスのコッツウォルズ地方>、フランスの<バルビゾン>などと共に、日本人に取り永遠の憧れでもあります。

以上の結果として作り出されたのが「南欧風」デザインで、白(日本では白に近い淡い暖色も)・柔らかな曲線・ラフな仕上げ・カラフルな草花・暖地エリアの樹木・・・などをキーワードとして上げることが出来ます。

ただし、①:本場「南欧風」と「日本の南欧風」には大きな相違がある ②:過剰装飾~悪趣味と言った結果を招きやすい・・・と言う点も見逃してはなりません。平たく言いうと、<本場の南欧風をそのまま日本に持ち込むことは、(日本人の性格から言って)不可能(あくまでも日本的南欧風)><過剰な曲線・装飾による悪趣味な作品が非常に多い>と言う事です。従って、<ハイセンスな日本的「南欧風」を創り上げる>これが成功のポイントとなります。

「南欧風」のエクステリアでも、クローズ・セミクローズ・オープン、3スタイルの選択は可能です。ただ、比較的クローズスタイルのウエイトが高くなり、しかもフェンスを使う頻度が低くなります。つまり、ブロック塀・門柱+左官仕上げ(塗り仕上げ)が多くなると言う事。だからこそ、A:塀を高く長くし過ぎて、倒壊の危険を招くようなプラン・施工は絶対に行わない B:左官仕上げが粗悪になり、短期間で表面劣化するような施工は行わない・・・以上、要注意!

そこで本日の一口アドバイス。

「日本人には日本の<南欧風>を! そして、どうすればハイセンスに纏められるか!」

(みずき りょう)

19:街並み

 

 

 

 

 

 

プロヴァンス地方の街並み・・・地中海に隣接する「南欧」は、日本人に取り永遠の憧れ。そこには、温暖な気候・降り注ぐ陽光・美しい海岸線・そして何より素朴で陽気な気質が。しかし、過酷で複雑な歴史も・・・

 

19:住宅

 

 

 

 

 

南欧の伝統的家屋・・・ブドウ畑に囲まれた邸宅。まさに「プロヴァンス風」の原点が。ただ、日本で作られている「南欧風」とは根本的に異なるものがある。

 

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日本の「南欧風」外構・・・淡い色調・おおらかな曲線・そして何より明るく温かみを感じさせる空間。日本には<日本特有の「南欧風」>が根付き、そして今も多くのファンが!