みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,098

「納得!エクステリア講座」第31回・・・<土と水の処理>その意味と実態?

前項でエクステリア(住まいの屋外空間)は<見えない部分への対応が大切>、だから<思ったより高くなる>と述べなした。その主体となるのが、①:土の処理 ②:水の処理 ③:厳しい自然環境への対応・・・の3種。この項からは同課題について詳述します。

①:土の処理・・・について>

土とは意外に厄介な物。重い・膨らむ・性質がバラバラ・・・など複雑な組成を持っているからです。従って、その処理代が予想以上に高い。このような印象を最も受けやすい分野でもあります。

エクステリア関連の積算書を見ると、殆どが<土工事>と言う小計項目の中で表示されています。具体的には、掘削・鋤取り・残土処理の3種が主要項目で、埋め戻し・整地などが加わる場合もあります。また、関連項目としては、土壌改良・転圧・地盤調整(処理)・化粧土入れ(真砂土・山砂、等)などがあります。

専門的な事はともかく、以上のような<土の処理>は絶対に必要なもの。この部分の対処が甘いと、完成後、ヒビワレ・陥没・傾きなど大きな支障が出るばかりか、人命にかかわる事故につながることさえあります。従って、内容をしっかりと確認する事。特に、残土処理は多額の経費(大都市部ほど高額となりやすい)・労力を要しますので要注意!

エクステリアで<土の処理>は、一般の方々に取り最もミステリアスな分野だとも言えます。悪徳業者の場合、目立つメーカー商品等は安く提示し、「<土の処理>等の分野でボッタクル・手抜きする」と言ったケースも珍しくありません。だからこそ、地元のエクステリア専門ショップへ依頼する・直接来店し積算(工事)内容を確認する・・・この2点をお忘れなく!

②:水の処理・・・について>

以前、「エクステリアに水平は無い」と述べました。なぜなら、全ての現場(物件)で<水の処理>が必要であるからです。具体的には、水勾配を付ける・排水処理(土壌処理、雨水枡・側溝・排水パイプ埋設等の処理、等)など、多種多様な項目・処理方法があります。また、ベランダや屋上でも水処理(防水処理も含め)は必要で、この場合は地上(一般的エクステリア工事)とは大きく異なります。

ただし、<水の処理>の基本である水勾配処理は積算書に現れる項目ではありません。加えて、他の水処理項目も、殆ど馴染みのない物ばかりです。だからこそ、詳細はともかく「<水処理>が確実にできているか否か」をしっかりと確認しておいてください。もし処理が甘いと、「雨が降るたびに水浸し・水溜りだらけ」といった事になり兼ねません。また、家本体に大きな悪影響を及ぼす事も珍しくありません。

そこで本日の一口アドバイス。

「土と水。それは大切ものだが極めて厄介な存在。だからこそ<手抜き厳禁!>」

(みずき りょう)

31:残土・西脇

 

 

 

 

 

 

公共の残土処理上・・・「大都市ほど残土処理場が遠い・処理費が高い」と言った理由で、処理代が高くなることが多い。

 

31:2トンダンプ

 

 

 

 

 

 

2トンダンプ・・・エクステリアの残土運搬によく使われる。ただし、1回で1〜1.5㎥とわずかしか積めない。残土処理が高くつく理由の1つ。

 

31:雨水枡

 

 

 

 

雨水枡・・・水処理の1つの方法。いずれにしても「しっかりとした<水の処理>」をしておかないと、後で大変な事になるので要注意!