みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,100

「納得!エクステリア講座」第33回・・・「ブロックが使えない」理由とは?

この項からは、エクステリア(住まいの屋外空間)の各部門別の<正しい対処方法>について検証していきます。まずは<住まいの顔となる「門廻り」>から・・・

第11章 激変する門廻り①

実は「門廻り」がエクステリアの中で最も激変せざるを得ない分野となっています。にもかかわらず、それに気付か無い人が大部分。一般のお客様にとっては当然のことながら、プロでも大半が(知ってか知らずか)以下に提示する事を無視しています。でもそれは<由々しき問題>でもあります。

<門廻り激変>の原因はやはりブロック問題。大阪北部地震で死亡者を出した高槻市は、第三者委員会で<ブロックNO!>の結論(下記毎日新聞記事参照)を出しました。国もそれに準じる方向で、来年(2019年)には全市町村がブロック補助金制度(=ブロック撤去+代替工事に補助金)を設ける予定。つまり、建築基準法の対象となる<高さ1.2m以上のブロックは事実上積んではいけない時代>が到来したと言う事。

一般的には「それでは塀をどうすれば良い」と考えがち。でも、塀はブロックはベース部分だけ(4段以下)にして、その上部をフェンスにすれば何の問題もありません。住宅メーカーは既にその方向で進んでいるし、世間事情に疎いエクステリア業者もさすがに、ブロック塀を積み続けるケースは希。従って、<塀については大きな問題は無い>と見るべきです。

だが、「門廻り」はより深刻な事情を抱えています。理由は、<ほぼ全住宅に門柱は必要>で<門柱の大半がブロックベース>で<その高さは1.4m以上>であるため。つまり、<従来通りのやり方では門柱が造れなくなった>と言う事。にもかかわらず、門柱の作り方を変えようとしている業者はごく一部にすぎません。

メーカー製品の「システム門柱」を使えば良い。その通り。でも、もう少し重厚な門柱が欲しいと言うご要望も。また、クローズタイプの外構では「システム門柱」は似合いません。つまり、塀(フェンス)とは異なり、門廻りからブロックを排除するには、<プロの高い意識が必要で、その意識を持っているのはごく一部>と言うのが現状です。

では、具体的対応方法は? ①:門扉を付けない(主に)オープンor セミクローズ外構の場合は 代替商品・素材を使う ②:門扉を付ける(主に)クローズ外構の場合型枠ブロックを使う・・・以上です。補足するなら、近年ではおおよそ70%が門扉を付けない門廻りで、①:の対応方法でかなりの部分が解決可能。次項では、<ブロック(正しくは「コンクリート・スタンダード・ブロック」)を使わない門廻りについて、より具体的に検証します。

そこで本日の一口アドバイス。

「ブロックを使わない門柱! これが意外と難題で、高いプロ意識が必要!」

(みずき りょう)

 

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(映像処理済み)このようなブロックベースの門柱は高さが1.2m以上であるため、今後使うべきではない。

 

門柱③

 

 

 

 

 

 

ブロックを使わない門柱例・・・最強のエクステリア材と言われる「ウリン」(天然木)を使った特注の門柱。

 

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2018年10月30日・毎日新聞朝刊1面の記事=ブロックは施工方法に関わらずNO!