みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,105

「納得!エクステリア講座」第38回・・・ブロック塀に必要な場合の対処方法!

基本的には塀(フェンス)に高さ1.2m以上ブロックを積まない。これが原則。しかし、どうしてもより高いブロック積が必要な場合も・・・この項ではその時の対処方法について。

第12章 最新の塀・フェンス事情③

高さ1.2m以上のブロック積が必要な塀とは? 門扉を設置する場合の門袖(門柱)部分、低い土留めを伴うクローズ外構の塀・・・などです。勿論、その場合もRC擁壁・塀等を使えば対応可能ですが、コスト・施工性等を考慮すると、ブロックの方が・・・

どうしても塀に高さ1.2m以上のブロック積を行う場合には2つの方法があります。1つ目は、「型枠ブロック」を使う。 2つ目は、建築基準法を順守し積む。以上です。

前者については、土留めを伴う場合が特にお勧め。「型枠ブロック」とは、我々が一般にブロックと呼んでいる(正確には「スタンダード・コンクリート・ブロック」)とは根本的に異なり、孔(空洞部)が大きく、そこに充填したコンクリートにより強度を出します。つまり、工法的には(一般のブロックとは異なり)組積造ではなくRC造となり、耐震性等が大幅にアップします(ただし、充填量の差により、コンクリート擁壁・塀よりは強度は劣る)。

「型枠ブロック」にも化粧タイプと一般タイプ(表面の化粧加工無し)がありますが、化粧タイプでもデザイン性に関しては(少なくとも現商品群では)課題があり、通常は一般タイプを使い表面塗装・左官仕上げ等の処理を行います。ただし、この点が一つの難点である事は否めません。

となれば、後者の一般のブロックを使い<施工基準を順守すれば良い>と言う事に・・・ 残念ながら、問題はそう簡単ではありません。(専門的になり詳細提示は避けます。詳しくはegg-加盟店にご来店の上ご確認ください)A:基礎の立ち上げ部分処理(布基礎にするか、最低1段は「型枠ブロックウィ使う必要がある) B:縦筋を基礎内〜最上部まで継いではならない C:最上部の横筋と縦筋をしっかり結線する必要がある D:長さ3.4m以上の場合は正しい控え壁が必要・・・など難題が多いからです。

また、施工基準を順守しても、ブロックには大きな課題が残ります。それは、経年劣化が激しい・鉄筋が錆びやすい構造・・・等によるもの。つまり、施工基準が順守されたブロック塀でも、20年・30年後には危険なブロックになってしまう可能性がある(ちなみに、「型枠ブロック」「RC擁壁・塀」の場合は50年以上の耐久性があると言われている)と言う事。

補足するなら、施工基準を順守する以上、少なくともこれまでブロックが多用されて来た最大理由<安さ>を維持する事は不可能となります(少なくとも従来価格の1.5倍以上になる)

そこで本日の一口アドバイス。

「ブロックの施工基準順守は難しい? 少なくとも値段は従来の1.5倍以上に!」

(みずき りょう)

38:施工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロックの施工基準(全国コンクリートブロック工業会HPより)・・・この施工基準は建築基準法を参考に同工業会が作成したもの

 

38:型枠

 

 

 

 

 

 

 

「型枠ブロック」基本形(化粧タイプ)・・・よねざわ工業HPより

 

38:型枠施工例

 

 

 

 

 

 

 

同上「型枠ブロック」の施工例・・・外見上は一般のブロックと変わらない。よねざわ工業HPより