みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,050

「世界のガーデン」第七章:「平面幾何学式(フランス式)庭園」

 

第32回:「ソー公園」と「ル・ノートル」作の庭園

 

「ソー公園」は、パリの南に位置するオー=セーヌ県にあり、「ルイ14」時代の財務総監であった「シャン=バティスト・コルベール」(1,619~1,683年)が建造した巨大な城を活用し作られました。また、その庭園は「ル・ノートル」の作品。

なお、「シャン=バティスト・コルベール」は1,664年に財務総督に就任して以降、20年にわたり絶対主義時代の財政管理を行い、当時の外務大臣「ユーグ・ド・リオンヌ」と並ぶ「ルイ14」の側近として知られる重要人物。重商主義を掲げ、フランス・東インド会社など多くの植民地支配に為の拠点を作り、当時のフランスに巨万の富をもたらせました。

一方、「ソー公園」は200ヘクタールと言う広大な式とを持ち、「ル・ノートル」の庭園を含む、ゆったりとした屋外空間と、城内を使った博物館で知られ、パリとその周辺市民の憩いの場となっています。

屋外空間に関しては、城周辺の「平面幾何学式庭園」、ゲーム・スポーツエリア、祭事用スペース、自然を活かしたくつろぎのスペースなどから成り立つ、フランスを代表する都市公園でもあります。特に、都市の過密が進む昨今では、自然・歴史・文化など多くの魅力を備えた貴重な空間となっています。

「ル・ノートル」が作った庭園部は、城のテラスから軸線(ビスタ)を通し、左右対称の幾何学的な植栽空間・噴水などが広がり、さらに周辺の森林スペースへと繋がっています。つまり、庭園以外の世界が目に入ることは無く、典型的な「平面幾何学式構成」となっています。

また、公園中央部の樹林(ボスケ)には多数の八重桜が植えられており、パリに住む日本人たちのお花見の場にもなっているとの事。

「ソー公園」のもう1つの重要ポイントが場内の博物館。1,937年に創設され、肖像画・風景画などの絵画類、ドローイング(線刻画)、版画、陶磁器などの美術品、家具類などが陳列されています。その殆どがフランスの歴史と深い関係を持つ物です。

なお、フランスの歴史・文化等を見学したり学んだりするとき、(「ソー公園」もそうだが)「イル・ド・フランス」と言う言葉をよく耳にします。これは、<パリを中心とした地域圏(画像参照)>を現す言葉で、フランス全体の約18%・1,200万人が対象となります。日本でいえば首都圏と言ったところでしょうか。勿論、単にそこに18%の人達が住んでいると言う事ではなく、フランスの中心部・代表エリアと言った意味を持っています。

「ソー公園」もこの「イル・ド・フランス」を代表する公園で、規模・歴史・文化と言った多くの意味で、フランス(あるいはフランス人)に取り、極めて重要な場所の1つでもあります。

ソー公園・遠景

 

 

 

 

 

 

庭園から城を観る

 

城

 

 

 

 

 

城(場内は博物館)

ソー公園・城

 

 

 

 

 

城の遠景

今のソー公園・

 

 

 

 

 

現在の「ソー公園」(広場)

 

Lefebvre Claude (1632-1675). Versailles, châteaux de Versailles et de Trianon. MV2185.

Lefebvre Claude (1632-1675). Versailles, châteaux de Versailles et de Trianon. MV2185.

 

 

 

 

 

 

 

「シャン=バティスト・コルベール」

 

 

 

イル・ド・フランス

 

 

 

 

 

 

 

「イル・ド・フランス」