みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,054

「世界のガーデン」第七章:「平面幾何学式(フランス式)庭園」

 

第36回:「ヴィランドリー城」とその庭園

 

「平面幾何学式(フランス式)庭園」を紹介中ですが、今回からは「アンドレ・ル・ノートル」作品以外の庭を取り上げます。とは言っても、「平面幾何学式庭園」はヨーロッパを代表する庭園様式であり、王宮・宮殿・貴族の屋敷・城などを対象として設置され、膨大な数に達します。

勿論、その大部分を紹介するには紙数・資料等が不足し不可能ですが、著名な庭園だけでも可能な限り取り上げて行きたいと思います。まずは、お膝元ともいえるフランスの「ヴィランドリー城庭園」から。

「ヴィランドリー城」はフランスの中央部に位置するアンドル=エ=ロワール県(人口約60万人)内の「ロワール渓谷」と言う場所にあります。

この城の最大の特色は「ルネッサンス様式」の建造物であると言う事。「ロワール渓谷」には多数の古城が残されていますが、その中では比較的新しい部類の城ですが、同エリアの代表的存在でもあります。また、同城の庭は一時期寂れた事もありましたが、現城主の代になり、一般公開されその美しさを取り戻しています。

同城の歴史を辿ると、元は12世紀に造られた城塞。それを、フランスの王「フランソワ1世」の財務大臣を務めていた「ジャン・ル・ブルトン」が1,536年に建て替えました。まさに、「ルネッサンス時代」後半の芸術世代でその影響が大きかったのも当然の事。それに加え、「ルイ15世」の影響が色濃く反映していると言われており、城内には豪華絢爛たる装飾が施されています。

一方庭園は、「平面幾何学式庭園」の部類に属しますが、幾何学構成の植栽が主体となっています。従って、水路・噴水などの水関連施設で目立つものはほぼゼロ。主役の植栽には14世紀の古い文献によるデザインが取り入れられており、「露壇式庭園」内の構成のようなかなり濃密な部分も少なくありません。

樹木・草花の中で特に有名なものが全長52mにも及ぶ洋ツゲと、バラ園。また、毎年25万本が植え替えられると言う草花・野菜なども庭園を見事に彩っています。

紋章

 

 

 

 

 

 

 

「アンドル=レ=エロワール県」の紋章

 

 

ヴィランドリー城

 

 

 

 

 

 

 

「ヴィランドリー城」&庭園全景

 

 

庭園②

 

 

 

 

 

庭園遠景

 

庭園①

 

 

 

 

 

 

 

幾何学的植栽

 

庭園③

 

 

 

 

 

見事に刈り込まれた樹木

 

庭園④

 

 

 

 

 

 

 

庭に合わせたコンテナ

 

内部

 

 

 

 

豪華絢爛たる城内