りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO839

「WOOD EXTERIOR 編」・・・「メルバウ」が太平洋鉄木と言われる理由?

「セランガンバツ」とともに、広い地域に自生するアジア産「ハードウッド」「メルバウ」を紹介します。

「メルバウ」はマメ科の常緑広葉樹です。そして、マメ科に属する「ハードウッド」はかなり多く、特に「紫檀」などが有名です。ただし、「紫檀」には多くの謎があり、それはまた別項で紹介します。

「メルバウ」の最大の特色は自生地が広いと言うことです。具体的には、フィリピン、ニューギニア、インドネシア、などの島々から、インドシナ半島へと広がっています。このため名称も様々で、フィリピンでは「インピール」、ニューギニアでは「クウイラ」、タイでは「マカモン」などと呼ばれています。そして今回代表名として使っている「メルバウ」はインドネシアで最も広く使われている呼称です。また、木材の通称として「太平洋鉄木」と呼ばれることもあります。果たして、その名の通り「ボルネオ鉄木(ウリン)」の先輩格と言えるのか・・・

材質的な特性としては、①:比重は0.78~0.9と「ハードウッド」としてはやや軽い ②:産地により品質にバラツキがある ③:芯・辺材の区分は明瞭 ④:色調は辺材は黄白色、芯材は赤褐色~褐色 ⑤:斑点状の模様があり木肌はやや粗い・・・などを上げることができます。

現在の主用途は、家具、フローリング、仏壇、橋梁、枕木、土台、エクステリア材など。当然のことながら、強度・耐久性が求められる部分に多く使われています。ただ、全体的には評価の高い木材ですが、日本でのエクステリア材としての実績はあまりありません 。従って、実際にどの程度の耐久性があるのか(問題は無いと推定されるが)、屋外で使った場合い、ソリ・ヒネリ・ひび割れ、などのあばれがどの程度出るのか・・・など不明点も残されています。

ただ、マメ科の樹木に良くある特性ですが、重い割には材に粘りがあり、下孔無しでビスが打てるなど、意外に施工性が良い可能性もあります。いずれにしても、「メルバウ」は木材業界では評価の高い、一定の知名度も持った「ハードウッド」です。しかし、フロアや家具での評価がベースとなっており、エクステリアと言う世界での地位は未確定と言うのが現状でしょう。

また、「セランガンバツ」などと同様、産地が多方面にわたるため、今後おそらく比較的入手しやすい「ハードウッド」に1つとなるでしょう。しかし、だからと言って南洋材の将来性が明るくなるわけではありません。やはり、植林面積を増やし栽培材への切り替えが必須条件となります。そして、現段階では栽培材としての「ハードウッド」にはどの樹種が最適かは、まったくわからないと言うのが現状です。

そこで本日のひと口アドバイス。

「評価の高いハードウッド、メルバウ! ただし、エクステリア材としての将来性は不明・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

「メルバウ」の原木。芯材、辺材の境目が明瞭で、エクステリア材として使った場合い、辺材は耐久性に問題がある可能性も・・・

 

 

 

 

 

「メルバウ」の海上輸送風景。果たして、今後どの程度の供給量を確保できるのか???

 

 

 

 

 

木材加工された「メルバウ」。エクステリア材としての可能性は・・・

 

 

 

 

 

「メルバウ」の木肌。やや粗く、黒い斑点状の模様が入っている。

 

 

 

 

 

 

「メルバウ」製のデッキ。まだまだ使用例は少ない。

 

 

 

 

 

 

「メルバウ」製のガレージバルコニー。意外に加工性が良いかも・・・