りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO842

「WOOD EXTERIOR 編」・・・意外と謎の多い「紫檀」!

今回は、超高級南洋材「紫檀」について述べます。

「紫檀」とはマメ科のツルサイカチ属とシタン属の、アジア産樹木とするのが、最もオーソドックスな分類法です。しかし、マメ科ではない「パーロッサ」や、アジア圏外のブラジル産「ハラカンダ・ジャカランダ」なども含める場合があり、実際のところ定義は明確ではありません。ただ、全ての人が「紫檀」と認める狭義の設定を行うとすると、「本紫檀」と呼ばれる「イーストインディアン・ローズウッド」「手違い紫檀」と呼ばれる「チンチャン」の2種と言うことになります。

しかし、その判断も外見的な規準によるもので、どの学名の樹木を当てるのかとなると、諸説があります。自生地は、インド東部~インドシナ半島が中心で、地域により名称も異なり、「本紫檀」「手違い紫檀」には「パユン」「チンチャン」「カムフン」「カンピ」「チャック」「マタラン」など多種多様な現地名前があります。このため益々分類が困難になります。現実的な見分けは、ベテランの人達の目に頼っていると言うのが現状でしょう。

「紫檀」は紛れも無いアジア産(ごく一部に南米産)の「ハードウッド」です。比重は0.9~1.1程度で、間違いなく堅く重い木であるからです。しかし、価格は材料段階で一般の「ハードウッド」5倍~10倍と言ったところで、一部超高級フローリング材として使われる以外は、仏壇、銘木家具、調度品などが主用途です。従って、この後紹介する「黒檀」「チーク」を含め、別扱いの木材としたほうが現実的です。

「紫檀」の特性としては、①:比重は0.9~1.1程度で極めて堅く重い ②:従って、耐久性抜群で虫害にも強いが、加工性には難がある ③:木質は緻密で磨くと光沢が出る ④:色調は赤褐色がベースで、黒の縞模様が入る ⑤ :ただし、色・柄は変化が大きく、材によりかなり異なる・・・などを上げることができます。

なお、「紫檀 」が英名で「ローズウッド」と呼ばれるのは、色からではなく、新しい木はバラのような香りがする物があり、ここから来ているとのこと。また、南米産の通称「ブラジリアン・ローズウッド」と言われる木は、ワシントン条約の絶滅危惧種に指定され、国外へ持ち出すことが禁止になっています。にもかかわらず、南米産の「紫檀」が出回っているのは何故でしょうか? 古い在庫品のみが流通しているためと、ここでは善意に解釈しておくことにしましょう・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

本紫檀手違い紫檀、そしてその他の紫檀? さて、あなたにこの見分けが付くか否か???」

(りょう)

 

 

 

 

「紫檀」の葉。「アカシアミモザ」「オジギソウ」などと似ており、マメ科の植物であることが分かる。

 

 

 

 

 

 

「紫檀」の原木。「本紫檀」?、「手違い紫檀」?、それとも「南米産」?

 

 

 

 

 

 

「紫檀」材の断面。この段階では確かに紫がかっているようにも見える。

 

 

 

 

 

「紫檀」のカットサンプル。褐色の肌に黒の模様が入る。材により、色調・模様の変化が大きいのも特徴!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫檀」の代表的用途の1つとなっている「仏壇」。

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫檀」製の高級家具(飾り棚)