りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO843

「WOOD EXTERIOR 編」・・・熱帯が生み出した銘木「黒檀」!

「紫檀」とならぶ熱帯地方産の銘木「黒檀」について述べます。

「黒檀」はカキノキ科、カキノキ属の常緑広葉樹です。原産地はインド南部~スリランカとアフリカの一部。高価であるためか、珍しく他の熱帯地方でも植林が試みられていますが、経過は思わしくないようです。なお、「エボニー」「黒木」と言う呼称が使われることもあります。

「紫檀」と異なる点は、学名が「Diospyros ebenum」で、樹種が1つでかつ明確であるという点です。ただ、偽物とまでは言いませんが、近い材質の木材が「黒檀」として出回っているケースもあるので要注意! 

「黒檀」は樹高25m、幹の直径1m以上にもなる大型の高木です。しかし、成長が極めて遅く、一度伐採してしまうと追加供給が難しくなり、よほど綿密な管理を行わないと、大型の原木が枯渇してしまう危険性があり、現に今そのような状況に至っています。

樹木の特色としては、幹は平滑で黒褐色、葉は6㎝~15㎝の長円形で艶がある、花は雌雄同株、直径2㎝前後と小さいが日本のカキとよく似た実をつけ食べられる・・・など、良く観察するとカキの仲間である特色が随所に見られるとのことです。

一方、木材としての特色としては、①:比重は0.9~1.1程度で、極めて重く堅い木である ②:このため強度・耐久性に優れ、虫害なども受けにくいが加工性は悪い ③:材質は緻密で磨くと光沢が出る ④:芯材は褐色がベースで黒の縞模様を呈するが、黒一色の物もある・・・と言った点が上げられます。

用途としては、高級家具、唐木細工、仏壇、床柱、象嵌材、工芸品、などが一般的ですが、ピアノの黒鍵、ヴァイオリンの指板、ゴルフグラブのヘッド、チェスの駒、印材、など小物ではあるが「黒檀」の特性を最大限に活かした物も多数有ります。

なお、カキノキ属の学名で提示した「Diospyros」は「神の食べ物」と言う意味を持ちます。カキノキ属の樹木は古くから美味しい実の成る木として珍重されてきたため、この名が付けられたとのことです。

「黒檀」と「紫檀」は前項でも提示したとおり、アジア主産の「ハードウッド」であることは間違いありません。しかし、極端に価格が高く、希少な木材でもあります。従って、扱いもまた特殊であるといえます。ただ、単なる銘木としてだけではなく、「黒檀」「紫檀」以外では困難な用途も多数有ります。それだけに、枯渇すれば近樹種でごまかすのではなく、大切に守ってい行きたいものです。

本日のひと口アドバイス。

黒檀は熱帯がはぐくんだ銘木! 成長が極めて遅い樹木だけに、枯渇させない工夫が必要!」

(りょう)

 

 

 

 

 

「黒檀」の林。成長が極めて遅く、木材として使えるまでには長い年月が必要!

 

 

 

 

 

 

 

 

樹木「黒檀」。良く観察するとカキの仲間である特性が随所に見られる。実も食べられる。

 

 

 

 

 

 

 

「黒檀」原木の断面。芯材が大きく、この部分が超高級木材として使われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒檀」の板材。褐色ベースの中に黒い縞模様が入る。一部、真っ黒な材もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

高級仏壇は「黒檀」の重要な用途の1つ。

 

 

 

 

 

 

 

「黒檀」製の香炉。