「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,051
「レッドウッドの世界 編」・・・「センペルビレンズ」と「ギガンテウム」?
アメリカ西海岸の代表的な州、カリフォルニアには2種の「セコイア」と言う名の付く巨木が自生しています。「レッドウッド(学名:セコイア センペルビレンズ)」と「ジャイアントセコイア(学名:セコイアデンドロン ギガンテウム)」です。名前や巨大であることなどから、両者を極めて近い種類の樹木と勘違いしている人も多いようですが、実は現在の分類では少し遠縁になるとのこと。前者はスギ科、セコイア属、後者はヒノキ科、セコイアデンドロン属になるからです。そう、「レッドウッド」はスギの仲間であり、「ジャイアントセコイア」はヒノキの仲間であるからです。
でも、両者はどのような違いを持っているのでしょうか? 少し詳しく比較して見たいと思います。
両者の、自生地とその環境を比較して見ましょう。提示資料を参照してください。両者ともカリフォルニア州に自生していますが、場所と環境はかなり異なります。「レッドウッド」はカリフォルニア州の北部海岸に近い「レッドウッド国立州立公園」に主に自生しています。一方、「ジャイアントセコイア」は同州中部で内陸部の山岳地帯にある「セコイア国立公園」に主に自生しています。位置だけを見ると、「セコイア国立公園」の方が南にあるのですが、実は自然環境はこちらの方がはるかに厳しくなります。より両者の環境の違いを明確にするため、立地・気候のポイントを列記しておきましょう。
「レッドウッド国立州立公園」・・・①:カリフォルニア州北部の海岸地区~低い丘陵地帯 ②:海洋性気候で夏は20℃程度で涼しい反面、冬も温暖 ③:海からの湿った空気が入り、年間雨量が多い・・・と言った特徴を持っています。簡単に言えば、樹木にとっては非常に恵まれた気候であるということです。
「セコイア国立公園」・・・①:カリフォルニア州中部の山岳地帯(シェラネバタ山脈内) ②:「ジャイアントセコイア」の自生地も標高1,600m~2,700mの高地 ③:従って寒暖の差が激しく、特に冬の寒さが厳しい ④:このため、周辺の樹木もモミなど寒さに強い針葉樹が中心・・・と言ったことが特徴として上げられます。要するに、一般的なカリフォルニア州のイメージとは程遠い、厳しい山岳気候地帯であるということです。
なお、このエリアはアメリカを代表する美しい自然でも有名で、近くに「ヨセミテ国立公園」「デス・バレー国立公園」、「セコイア国立公園」と隣接して「キングスキャニオン国立公園」があり、アメリカ西部の有名な観光地帯にもなっています。また、両者の環境を比較し、前述した「セコイア」の歴史・特性を参照すると、自生地が異なっている理由も良く分かります。
そこで本日の本日のひと口アドバイス。
「温暖な環境を選んだレッドウッド! 厳しい環境にも耐えたジャイアントセコイア!」
(りょう)
「レッドウッド州立公園」と「セコイア国立公園」。
冬の「セコイア国立公園」。
「カリフォルニア州」の位置。