みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,097

「納得!エクステリア講座」第30回・・・「思ったより高い」そう感じる理由?

この項からは、エクステリア(住まいの屋外空間)の基本工程とそこから生じる無視できない特性について述べます。例えば、エクステリア専門ショップに相談した場合、簡単だと思った依頼でも<意外と高い>、そう感じるお客様が少なくありません。何故でしょうか?

第10章 目に見えない部分に要注意!

簡単なエクステリア工事。例えば<土間コンクリート打ち>と言った場合。一般の多くのお客様が、ただ<一定の厚さ(一般的にはカースペースの場合10㎝程度)に生コンを敷けばよい>と考えているケースが圧倒的多数を占めています。ただし現実には、地盤をしっかりしたものにする、一定の傾斜(水勾配)を付ける、鉄筋を入れる(多くはメッシュ筋)・・・などの目に見えない工程が必要になります。つまり、この部分が予算にプラスされ<思ったより高い>と言う印象へと繋がります。

でも一番怖いのは、<目に見えない部分はかなり無視できる>と言う事実。これには2つのケースがあります。第1のケースは<知っていて無視する>と言うもの。第2のケースは<無知ゆえの無視>。前者の場合は悪徳業者、後者の場合はHCや量販店でよくある例と言えます。そして、両者とも始末が悪いのは<安く感じる>と言う事実です。勿論、こんな工事をすれば<すぐにヒビワレして使い物にならない><雨水が逆流し家中水浸し>と言った大問題にも・・・

<エクステリアの目に見えない難題3種>

上記のような事例は無限にあります。つまり、逐一例を上げて説明する事は不可能だと言う事。従って、少し論理的に分析していく事にします。

要するに、クステリアは住宅内部以上に<目に見えない難題>を抱えていると言う事。その主な難題例として、①:土の処理 ②:水の処理 ③:厳しい自然環境への対応・・・の3種を上げることが出来ます。つまり、エクステリアの場合、工事の大小を問わず全てへの対応を行う必要があると言う事。ご予算(費用)と言う面から言えば、絶えずこの部分がプラスされると言う事でもあります。

でも前記したように、この大切な部分を無視し粗悪品が供給されているケースが後を絶ちません。だからこそ、地元のエクステリア専門ショップへ直接足を運び(来店)、プラン(工事)内容をよく確認してから発注する事をお勧めします。逆に、ネット主体の広域販売業者・ホームセンター・量販店等に発注する場合は、より慎重な確認が必要になります。表面上の安さが、文字通り<命取り>になる事も・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「目に見えない部分ほど重要! ただし、目に見えない部分ほどごまかしやすい!」

(みずき りょう)

30:前処理

 

 

 

 

 

見えない部分、つまり<前工事>がエクステリアの品質を大きく左右。この部分で手抜きがあると時には大事故にも!

 

30:土間コン

 

 

 

 

一見単純に思える「土間コンクリート」一つにしても、<前処理>で大きく品質を左右。だから、表面的な安さに惑わされない事!

 

30:門柱

 

 

 

 

 

 

よくあるタイプの「門柱」。ベースはブロックで出来ている事が大半。だから、基礎や鉄筋の入れ方のチェックが大切。だから、地元のエクステリア専門ショップで!

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,096

「納得!エクステリア講座」第29回・・・緊急報告!ブロックはなぜ人命を奪う③?

<欠陥商品と認定し使い方を限定せよ!>

恐ろしい事に、過去に造られ欠陥現場で甚大な事故が起きるだけではなく、今後造られる現場でも甚大な事故が起き続ける。これが<ブロックの実態>と言わざるを得ません。その理由(前項参照)、ご理解いただけたでしょうか。

つまり、過去100年間<ブロックは人命を奪い続けてきました>が、このままでは<今後も人の命を奪い続ける>と言う事。繰り返しになりますが、<施工基準の順守>を呼びかけるだけでは、決してそれを防ぐことは出来ません!

ではどうすれば、最低でもこれから作られる現場で重大なブロック事故を防ぐにはどうすべきでしょうか。それは、2つのルールを作り・守ること以外にありません。1つは:<ブロックを欠陥商品>であると言う認識の徹底! 2つ目は:(欠陥商品であるゆえに)極めて限定した使い方しかしない! 以上です。

以上を前提に、egg では<「スタンダード・ブロック」の使用範囲基準>を設けました。正直、加盟企業が100%この基準を守ってくれるか否かは分かりません。しかし、繰り返し呼び掛けて行きます。また、お客様にも理解を求めていきます。

egg の<「スタンダードブロック」使用範囲基準>

1:土留め上の継ぎ足し施工・・・3段以下とする(それ以上は、フェンス・板塀などにする)

2:土留め部分・・・高さ1m以下(それ以上高い場合は「型枠ブロック」「RC擁壁」等を使う)+過剰気味の基礎・厚さ・配筋

3:ブロック塀・・・高さ1.2m未満(それ以上高い場合は、全体or 上部をフェンス・板塀等にする)

4:門柱・・・高さ1.6m以下+過剰気味の基礎・厚さ・配筋。高さ1.6mを超える場合(ただしマキシム高さ1.8m)はL型とする。

5:ブロックに対する基本的判断基準・・・可能な限り使わない、あるいは少なく・低く使う。

以上です。

要するに、<欠陥品>であるがゆえに<使用できる範囲を極めて狭くする>と言う事。確かに、ブロックは便利で安いエクステリア資材です。しかし、代替品は無数にあります。樹木(植栽)、フェンス類、天然木の板塀、型枠ブロック、RC擁壁・塀・・・ そう、エクステリア(住まいの屋外空間)において、無理にブロックを使う必要などないのです。

にもかかわらず使い続けると言う事自体、エクステリア関係者の怠慢と言わざるを得ません。ただし、ブロックと略称していますが、あくまで「スタンダード・ブロック」のこと。他に優れた(コンクリート製の)ブロックがあり、それらは対象外。念のため・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「ブロックは欠陥品=(だから)使用範囲を厳しく限定! これ以外に無い!」

(みずき りょう)

29:倒壊現場

 

 

 

 

 

 

倒壊した土留め上ブロック・・・子のように危険な現場は過去のもの? いや、今後も造り続けられる可能性大! だから、<施工基準の順守>を呼びかけるだけでは駄目。

 

29:土留め上

 

 

 

 

 

 

土留め上の目隠し天然木フェンス・・・継ぎ足しブロックは2段(しかも新規継ぎ足しは1段のみ)。その上には「スーパーフェンスライト」を使った天然木フェンス。

 

29:門柱

 

 

 

 

 

 

ブロック(表面は石貼)+天然木(ウリン)を組み合わせた門柱・・・門柱もブロックを使う場合は高さ1.6m以下に。しかも幅も出来るだけ狭く。このように、他素材と組み合わせればよりハイセンスに・安全に!

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,095

「納得!エクステリア講座」第28回・・・緊急報告!ブロックはなぜ人命を奪う②?

<土留め・塀用としては欠陥商品?>

「スタンダード・ブロック」とはどのようなものか、ご理解いただけたでしょうか。そして、100年に渡り人の命を奪い続け、今後もその危険がある・・・残念ながらそれは事実です。

理由は2つ。1つ目は、<過去に造られた危険な現場が、無尽蔵にある>と言う事。極端な言い方をすれば、<危険でないブロック塀の方が少ない>と言えるかも知れません。勿論、今回の人命事故で改善されるブロック塀もかなりあるでしょう。それは、犠牲を伴ったとしてもひとつの進歩と言えます。ただし、前述のように危険な塀(現場)は無尽蔵にあります。その全ての改善は困難で、例えば土留めなどに使われている場合は<積み直しが不可能>、と言うものも少なくありません。その場合は、補修・補強と言った処理を施す事に成りますが、それでも十分とは言えません。

2つ目は、<今後も危険なブロック塀が、造り続けられる可能性が極めて高い>と言う事。「これだけの事故を起こしながらそんな馬鹿な」そう思われる方も多いでしょう。でも残念ながら事実です。だから、100年に渡り事故が多発してきたと言う次第。

ではなぜ、新しい現場でも危険なブロック塀が造られる可能性が強いのか。A:極めて順守しにくい施工基準である B:エクステリア業界の知識・技能・モラルが低い C:ユーザーが無理な要望を行う・・・この3点によります。

A:に関して、一般のお客様に説明する事はかなり難しいのですが、例えば<鉄筋の入れ方>の一例ですが、<縦筋は基礎部~最上部分まで継いではならない>と言う規定。特に背の高い塀の場合、これを守ることは至難の業と言わざるを得ません。勿論、守るのが難しい規定は他にも。

B:に関しては、<**資格が無いとブロックを積んではいけない>と言った法律でも無い限り、上記の難しい施工基準を守ることは極めて困難であるため。正直なところ、現在も<何の公的教育も受けていない職人が、ブロックを積み続けている>のが現状で、状況が急好転するとはとても考えられません。

C:に関しては、お客様の要望を大部分施工業者が受け入れ、現場を造り続けている為。例えば、最も危険な<土留め上の継ぎ足し施工>の場合。本来は土留めの内側に塀を造らなければなりません。しかし、活用敷地が狭くなるため、「土留め上に積んで欲しい」と言いった要望は日常茶飯事。この時、毅然と断る業者はそれほど多くありません。

このような現状から判断し、新規現場に関しては<ブロックは欠陥品>と考え、<絶対安全な場所にしか使わない>このような対応以外に無い。筆者はそう考えています。既存現場に関しては、焼け石に水として諦めるのではなく、可能な限り積み替え(ただし、大部分はブロック以外の代替商品を使う)・補修・補強を続ける以外にありません。

そこで本日の一口アドバイス。

「ブロックは欠陥品! この意識が無くては本当の危険回避はあり得ない!」

(みずき りょう)

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大阪の地震で起きた死亡事故現場説明図面・・・各所で報じられている通り、最も危険な<土留め上の継ぎ足しブロック塀>であった。しかも、公共(学校)のエリアで。

 

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上記現場での<コア抜き・差し筋>施工説明図・・・残念ながら、現在もこのようなブロック塀が造り続けられている。その責任の一端はお客様にもある。

 

ブロック基礎図

 

 

 

 

 

 

ブロック基礎の一例(L形+布基礎タイプ)・・・ブロックにはL型・T型・I型など様々な基礎バリエーションがある。しかし、その正しい知識を持つ職人は残念ながら少ない。

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,094

「納得!エクステリア講座」第27回・・・緊急報告!ブロックはなぜ人命を奪う①?

エクステリア(住まいの屋外空間)のデザインについて言及しました。本来ならば、今回から技術面にメスを入れる予定でした。しかし、大阪(震源地北摂エリア)の地震でブロックが大問題となりました。eggとしても見逃がすことが出来ない事件であり、<ブロックについての緊急報告!>をその前に・・・

第9章 ブロックは欠陥商品!

<ブロックの正体とは?>

地震で倒壊したブロック。ただし、全てのコンクリート・ブロックが対象となった訳ではありません。私たちの廻りには雑多なコンクリート・ブロックがあるため。このうち、「型枠ブロック」「間知ブロック」「スタンダード(普通)・ブロック」などが良く知られています。

「型枠ブロック」とは本来は土留めに使うもので、孔が大きく、仮積みした後その孔にコンクリートを充填。構造的にもRC造となり、外観はブロックですが、むしろRC擁壁に近い物です。勿論、強度面でも優れており、地震による倒壊例も殆どありません。「間知ブロック」も土留め用ですが、完全な土木用ブロックで、傾斜を付けて積むため、一般的なブロックとは異なります。

つまり、今問題となっているのは「スタンダード・ブロック」だと言う事。勿論、私たちが最も多く目にするブロックで、高さ19㎝×幅39㎝サイズが一般的。厚みに関しては10㎝・12㎝・15㎝・19㎝などがあり、施工条件により使い分けます。また、表面に様々なデザインが施された「化粧ブロック」と呼ばれる商品もありますが、外見が異なるだけで同系ブロックとなります。

そして、ここで確認しておきたいのが「スタンダード・ブロック」の構造。左右に凹み・中央部に孔があり、ここに鉄筋を入れ補強するようになっています。ただし、この凹みや孔はコンクリートを充填するものでは無いと言う事。この結果、「スタンダード・ブロック」の構造は<組積造>に属する<補強コンクリートブロック造>と言う事に成ります。

少し学術的な説明となりましたが、要するに石やレンガと同じ<組積造>で、この工法は元来地震に弱く、それを補てんする為<鉄筋を入れ補強>しなさいと言う事。また、それでも不安が残り、塀の内側に<控え壁>と言うものも造りなさいと言う規定もあります。勿論、地上からは目に見えない地中部分(基礎)にも細かな基準が設けられています。

そして、「そうか、工事規定を守る事が大切なのだ」誰もがそう考えます。勿論、その答えは<正解>です。でも、「スタンダード・ブロック」は、関東大震災(1923年)以来約100年に渡り多くの人の命を奪い続けています。しかも、今後も奪い続けると考えられます。何故でしょうか?

そこで本日の一口アドバイス。

「正しい施工法があるのに命を奪い続けるスタンダード・ブロック。その理由は?」

(みずき りょう)

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ブロック倒壊による死亡事故現場・・・擁壁の上に後付でブロックが積まれていた。「スタンダード・ブロック」倒壊での死亡事故は圧倒的にこのタイプの現場が多い。

 

赤城商会・間知ブロック

 

 

 

 

 

 

 

「間知ブロック」の施工現場・・・「間知ブロック」はこのように斜めに設置し、「スタンダード・ブロック」とは形状・構造共に全く異なる(赤城商会HPより)。

 

赤城商会・型枠ブロック

 

 

 

 

 

 

 

「型枠ブロック」の施工現場(スプリット化粧タイプ)・・・「型枠ブロック」は外見上は「スタンダード・ブロック」と似ているが、大きな孔にコンクリートを充填する構造となっており全くの別物。強度面でも優れている(赤城商会HPより)。

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,093

「納得!エクステリア講座」第26回・・・憧れのエクステリアイメージ?

エクステリアの代表的デザインについて検証してきました。その多くが、単に表面的な形だけではなく、それぞれの歴史・社会性・文化を持ったものであることをご理解願えたでしょうか。だからこそ、それらの意味を知る事で、あなた自身の世界がより大きな広がりとなるでしょう。

その一方で、代表的エクステリアデザインには加えなかったが、多くの人の憧れとなっている様式(世界)と言うものもあります。この項ではそれについて・・・

<コッツウォルズ・バルビゾン・モネ、etc>

エクステリア(住まいの屋外空間)を考えるうえで、<憧れの世界>は無限にあると言っても過言ではないでしょう。ただ、多くの人に共通する憧れも間違いなく存在します。そして、ほぼ誰もが認めるキーワードとして、コッツウォルズ地方・バルビゾン・モネをピックアップすることが出来ます。この点について、もう少し詳しく・・・

*コッツウォルズ地方・・・イングランド中央部にある地域(都市)。同時に、あの有名な(石灰岩)コッツウォルズ・ストーンの産地でもあります。そして、地元のこの石を建物の外観(壁、等)やエクステリア(塀、等)に使う事で、素晴らしい景観を創り出している事は周知の通り。結果、ガーデン好きの憧れにもなりました。

また、コッツウォルズ・ストーンは世界中で販売され日本にも輸入されています。そればかりか、同イメージを取り入れた擬石(コンクリート製品)も多数開発されています。

*バルビゾン・・・フランス中北部の都市。ミレーを始めとする芸術家が集まり、その多くが農村風景のような心安らぐ作品を発表(最も有名な作品が、ミレーの「落穂ひろい」)し、バルビゾン派と呼ばれ注目を集めました。結果、エクステリアの分野においても、カントリーガーデンの原点と言った役割を果たしています。ただし、現在は観光地となり当時のイメージとはかなら差があるかも・・・

*クロード・モネ(1860〜1926、印象派の画家)・・・モネは個人の名で、コッツウォルズやバルビゾンと同列に並べることは出来ません。ただし、晩年(1900年代)には<池・橋・睡蓮等が描かれた絵>を残し、かつそのイメージを活かした庭も創りました。また、そのイメージを元にした<モネの庭>と呼ばれる作品も世界各所で造られ、一つの<憧れのガーデンイメージ>にもなっています。

これらもまた、単なる形ではなく、歴史・芸術・文化と言った流れの中で確立されたもの。だからこそ、多くガーデン好きを今も魅了し続けていると言っても良いでしょう。

そこで本日の一口アドバイス。

「形の奥に歴史と文化あり! エクステリアデザインを考える時そんな事も・・・」

(みずき りょう)

 

26:コッツウォルズ

 

 

 

 

 

 

コッツウォルズの風景・・・コッツウォルズ・ストーンを使い(現在も)街づくりが行われている。そして<ハチミツ色の街・エリア>として世界の憧れゾーンに! 勿論、ガーデン好きに取っても垂涎の世界。コッツウォルズ・ストーンやその擬石は日本での販売されている。

 

Barbizon_-Atelier_Millet_(2)[1]

 

 

 

 

 

 

バルビゾンにある<ミレーのアトリエ>・・・ミレーを始めとするバルビゾン派の芸術家が多く集まったため、街自体が憧れのエリアとなった。ガーデンの世界においても、カントリーガーデンの原点的役割を果たした。ただし、現在は観光都市となっている。

 

Claude_Monet,_French_-_The_Japanese_Footbridge_and_the_Water_Lily_Pool,_Giverny_-_Google_Art_Project[1]

 

 

 

 

 

 

 

 

モネの絵(シルヴェーニーの日本橋と水連の池)・・・モネは印象派の代表的画家。晩年には池・橋・水連などのある庭の絵を残した。また、同イメージを取り入れた庭も作った。だからこそ<モネの庭>は現在も、ガーデン好きの聖域にも・・・

 

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