「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,759
「+αの植栽大研究 編」・・・トネリコ&トネリコ属って何だ?
NO1シンボルツリー・シマトネリコとがどのような樹木であるのか、ご理解願えたのではないでしょうか。でも、それなら本家本元?のトネリコとは一体どのような樹木でしょうか。また、どのような仲間がいるのでしょうか。この項では、その答えを解き明かします。
元々日本人がトネリコと呼んでいる樹木は落葉樹。しかも日本原産の固有種です。分類的には、ゴマノハグサ目、モクセイ科、トネリコ属、トネリコとなり、前出のシマトネリコの近樹種ですが、若干の違いがあります。学名は「Fraximus(トネリコ属) japonica」。そうこの「japonica」に注目する必要があります。日本語風に言えば「日本トネリコ」となるでしょうか。だからこそ、私たちは古くから親しんできたトネリコももっと大切にするべきでしょう。
では、なぜトネリコなのでしょうか? 諸説ありますが、昔は樹木に付着する虫が出すイボタロウを戸などに塗り、滑りやすくするために使いました。そしてトネリコはイボタロウを採集するのに都合の良い木でした。ここから、トニヌル木・・・トネリコと呼ばれるようになったと言うのが最有力。樹木としての特色は、落葉・常緑(半常緑)と言う意外は、シマトネリコと良く似ています。ただ、自生木だけではなく、住居・集落周辺にも植えられたため、昔はシマトネリコでは殆ど見かけない、大木に良く出会うことが出来ました。また、木材としても有効活用してきました。なお国内では、トネリコの仲間としては、アオダモ、シオジ、などがあります。
では、トネリコの仲間とは? いわゆるトネリコ属の樹木と考えて良いでしょう。同属の樹木は45~65種程度と言われています。全て高木であり、しかも落葉樹が大半を占めています。つまり、温帯地方に栄えた樹木だが、一部(4~5種)が熱帯・亜熱帯に進出し常緑化したと考えるべきでしょう。勿論、シマトネリコも熱帯進出組みの1種と言うこと。
他のトネリコ属では、アメリカ大陸へ進出したアメリカトネリコ(ホワイトアッシュ)、ヨーロッパへ進出したセイヨウトネリコなどが特に有名で、日本と同じように身近な大木として親しまれています。従って、トネリコ属の樹木の多くは、温帯地方中心に広く分布したと言うだけではなく、絶えず人間の身近にあり、大きく育ったものは街のシンボルとして大切にされたと言う共通点を持っています。
トネリコ属の最も特色ある共通項としては、花弁が4~5裂で基部が繋がり小さな花を群開させる、サヤのある実(翼果)をつける、と言う点を上げることが出来ます。そんな、花・実をみかけたら、ひょっとするとトネリコの仲間ではないか・・・と思い出してみてください。
そこで本日のひと口アドバイス。
「トネリコの学名はジャポニカ・・・日本人が親しんできた樹木であることを忘れずに!」
(りょう)
トネリコの大木(日本)
セイヨウトネリコの大木(ドイツ)
セイヨウトネリコの花
セイユトネリコの翼果