「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,265
「エクステリア用天然木大研究」第16回・・・期待度アップ「サイプレス」とは?
良質のエクステリア天然木を紹介中。カリフォルニア産の「レッドウッド」に続いては、オーストラリア産の「サイプレス」を紹介します。
「サイプレス」とは、ヒノキ科イトスギ属の英語名。ただし、エクステリア材の場合は「豪州ヒノキ」を指します。なぜなら、「豪州ヒノキ」は木材の比重(乾気比重)が0.7前後と針葉樹では最も硬く重い木に属し、他のヒノキ・イトスギよりも耐久性に優れているからです。地元オーストラリアでは古くから家屋の土台等に使われ、シロアリにも強く、最も信用度の高い木材としても著名。ただ、耐久性の主要因が硬さ・重さだけにあるのか、ヒノキの仲間であるため樹液に防腐効果のある成分が含まれ+α効果があるためかは、資料不足で不明(相乗効果があると推定されるが・・・)。
また、サイプレスは自然林からの供給ですが、資源量が豊富なうえオーストラリア政府により厳重に伐採管理されているため、熱帯産の広葉樹のように自然破壊につながる可能性は少ないとされています。ただし、他の針葉樹と比較すると成長が遅く、人気の高まりとともに世界中で大量消費されると問題が発生する場合も・・・
日本へいつごろから輸入され始めたかは不明。ただ、少なくともエクステリアルートで注目され始めたのは最近10年以内で、最も新しい高耐久性エクステリア用天然木言う事が出来ます。それだけに、データも少なく需要量も少ないのが現状。従って、使用方法に関しても研究の余地を残していると言えるでしょう。同時に、需要が安定すれば信用度の高い「ハードウッド類」「レッドウッド」等より価格は安くなると言われていますが、現状では同等かやや高いと言った状況。従って、将来性も含め注目・研究すべき木材と言う事が出来ます。
「サイプレス」の長所としては、A:耐久性に優れている(「レッドウッド」と同等か?) B:「ハードウッド類」よりは加工性が良い C:ヒノキの仲間特有の芳香と風合いを持つ・・・などを上げることが出来ます。一方、短所としては、ヒビワレ(ヒノキ科の共通特性)が多い点が上げられます。だからこそ、長所を活かし短所をカバーし使う事がポイントとなります。
「オーストラリア」は文明国ではありますが、多くの未開拓資源を持っています。それらをどう管理し活かすかが今後の大きな課題でもあります。樹木の世界でも、ユーカリの仲間は世界最速級の成長力と、乾燥しやせた土地でも育つと言う生命力を持っています。このため、砂漠地帯の緑化・熱帯雨林崩壊後の人工再生の切り札とも言われています。「サイプレス」もまた、正しい理解と研究の元に、次世代の有力エクステリア材として育成していくべきでしょう。
そこで本日の一口アドバイス。
「オーストラリアの大自然が育んだサイプレス! 次世代のエクステリア材として注目!」
(みずき りょう)
「サイプレス」製のウッドデッキ
土台:オーストラリアでも土台に良く使われる
板材:やはり「ヒノキ」と似ている
原木は比較的小さく芯持ちが多いもよう
原木:材が意外に小さい
「サイプレス」の原生林:さすがオーストラリア
いつまでも朽ちない倒木
製材所:日本とはスケールが・・・