みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,292

「天然素材の魅力」第25回・・・「ピンコロ」の魅力と欠陥とは?

各種「敷石」について検証中です。「板石を敷き詰めるタイプ」「飛び石」に続き、この項では「ピンコロ」を取り上げます。でも、一般の方はあまり聞きなれない言葉かも? いったい「ピンコロ」とは? その魅力と欠陥とは?

<「ピンコロ」の正しい使い方>

「ピンコロ」とは・・・標準サイズは9×9㎝(1丁掛)または9×19㎝(2丁掛)の小さな石材を使った「敷石」。強度的に優れる、石材価格が比較的安い、品種が豊富などの多くの利点がある。その一方で、歩きにくい、施工費が高くなる、などの難点もある。

一般の方には耳慣れない言葉かもしれませんが「ピンコロ」は最もオーソドックスな「敷石」の1つ。9㎝角(目地部があるので設計上は10㎝角)or 9×19㎝角(同10×20㎝)と言う小さな石を敷き詰めたもの。元々は欧米で使われた「敷石」技法ですが、現在では公共スペース用・住宅用として日本でも広く普及しています。

「ピンコロ」の長所としては、①:強度・耐久面で優れている ②:補修しやすい ③端材が使える為材料費が安い ④:同品種が豊富 ⑤:様々なデザイン工夫が可能・・・などを上げることが出来ます。①:に関しては、石材が細かいほどひび割れなどの破損が少なくなるため。このため、数少ないカースペースにも使用可能な石材土間の1つです。②:に関しては支障が起きた部分だけを取り帰れば済むため。 ③④:に関しては大きなメリットで、一定の高度があれば多様な石材の商品化(「各種御影石」「安山岩(鉄平石)」「石英岩」「硬質砂岩」、等)が「ピンコロ」として活用できます。⑤:に関しては、縦横、平衡に並べるだけでは無く、円形に並べるなど様々な工夫も可能。また、2つのサイズ・多様なカラーの組み合わせも可能です。

その一方で、⑥:表面が凸凹で歩きにくい ⑦:施工に手間がかかる ⑧:精度の悪い材料も多く出回っている・・・などの問題もあります。⑥:に関しては極めて重要な問題で、最近メインのアプローチに「ピンコロ」を使う事は殆どなくなりました。⑦:に関しては材料は安くても、施工費が高くなると言う結果を引き起こします。このため、「ピンコロ敷」自体の価格は、他の「敷石」と大差ありません。⑧:に関しては一般ユーザーが材料だけを求める時によくぶつかる問題。特に、ホームセンターで販売される「ピンコロ」は<値段は安いが精度が悪い>ものが多く、注意する必要があります。

以上を纏めると、「ピンコロ敷」はカースペース用として使える一方(ただし、かなり高価な土間となる)、メインアプローチ用の場合は、板石を敷き詰めるタイプの「敷石」と組み合わせ、両サイド等に限定使用するなど、危険防止対策を忘れない事。つまずいたり、ステッキが引っ掛かったりして、事故につながることが無いように、特に注意してください。

そこで本日の一口アドバイス。

「ピンコロは魅力的敷石技法の1つ。でも、事故につながらないように細心の注意を!」

(みずき りょう)

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オーソドックスな「ピンコロ敷」

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円形(曲線)敷

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様々な「御影石」を使った「ピンコロ」

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「鉄平石」(安山岩)製の「ピンコロ」

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「石英岩」製の「ピンコロ」

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「インド砂岩」製の「ピンコロ」

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2倍サイズ(2丁掛)の「ピンコロ」

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,291

「天然素材の魅力」第24回・・・現代住宅と「飛び石」の関係とは?

現代住宅の「敷石」について検証中。板石を敷き詰めるタイプに続き、この項では「飛び石」について考えます。

<「飛び石」って何だ?>

石を置いて歩きやすくする。これは、古代からある技法。そして、石を敷き詰めると言う本格的な物から、必要部分に所々に石を置く簡易的なものまで様々。「飛び石」は当然後者に属し、最も簡単な土間処理方であったと言えます。ただ、日本(和風)の場合は「飛び石」を<手軽で簡単>と言った面だけでは捉えませんでした。そこに、別視点の<美>を見出したからです。その極致と言えるものが「露地(茶庭)」で、アプローチ(通路)の殆どに「飛び石」が使われ、作庭の主要ポイントにもなりました。

<茶=侘びさび>こんなイメージがあります。同じ視点が茶室・露地などにも。そして、アプローチとして最も似合うものとして、殆どの「露地」で「飛び石」が使われるようになりました。その材料には、「鞍馬石」「生駒石」などの<名石>と言われるものも多く使われています。勿論、この段階で「飛び石」は施工が簡単・安価などと言った世界とは別物となりました。

このような影響を受けて、少し前まで「飛び石」はメインアプローチ(敷地境界~門廻り~玄関までを結ぶ通路)の主役の一員でもありました。しかし、メインアプローチは過去と現代では評価基準が一変。以前は<デザイン優先=細い・長い・曲線・遠近感>と言ったことが重視されましたが、現在では<機能優先+デザイン=太い・短い・直線+おしゃれ感>と基本概念が激変。当然「飛び石」の使用頻度も激減しました。従って、そのイメージを残す場合も、「飛び石」用の石を土間に埋め込むなど<「飛び石」風の演出>でカバーする事が多くなりました。

では、現代住宅で「飛び石」は不要となったのか。そうではありません。デッキ(濡れ縁)までの通路、プライベートガーデン内での通路などサブ的アプローチ(通路)で現在も多用されているからです。しかも、和風住宅だけでは無く洋風住宅にも多く使われるようになりました。おしゃれ感があって、しかも施工が楽でコスト的にも安い、と言った本来の特性がむしろ再評価されていると言えるかも知れません。

「飛び石」の使用石材は千差万別。特に、和風の場合は多種多様。ただし、主役的存在は「敷石」とほぼ同じで、和風(実際には和風限定では無い)の場合は「御影石」「大谷石」等、洋風の場合は「石英岩」「インド砂岩」等が良く使われます。ただし、擬石・擬木などのコンクリート製品で代用されることも良くあります。

そこで本日の一口アドバイス。

「飛び石=メインアプローチ用~サブアプローチ用として・・・」

(みずき りょう)

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「御影」の円形石を使った「飛び石」(和風)

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「御影」の方形石を使った「飛び石」(和洋両用)

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「砂岩」の方形石を使った「飛び石」(洋風)

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「露地(茶庭)」内の「飛び石」(美の極致を求めて・・・)

看板

お店の看板を新設しました。

うさぎの「ロッピーちゃん」のイラストも入っています。

地元の皆様に お気軽に立ち寄っていただけるお店を

日々目指して気持ちも新たにがんばります。

本物のロッピーちゃんにも会いにきてください。(^-^)

 

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ごろた石

五郎太(ゴロタ)石なら和風も洋風もOK

名古屋市千種区のお庭ショップ・myガーデンのです!
お庭のワンポイントでおススメしている「ごろた石」

和風にも洋風にも馴染む石なんですよ!!

家とお庭を結ぶラインの仕切りや植物のまわりにごろた石を並べて使ったりもします。

お庭の一角にごろた石を使う事で明るい雰囲気になるので

一手間お庭に加えたい時におススメの石材です!!

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,290

「天然素材の魅力」第23回・・・現代の「敷石」その代表的素材③!

洋風住宅によく合う「敷石」の代表的素材。この項では「インド砂岩」を取り上げます。

「砂岩(サンドストーン)」=砂が凝固し出来た堆積岩で軟質。主成分は「長石」と「石英」の微粒子であることが多い。世界中で産出するが、その中で比較的硬質の物が建築用・エクステリア用石材として多用される。硬質系砂岩の代表的存在が「ヨークストーン」と「インド砂岩」。

「インド砂岩」=インド北部で産出する硬質砂岩。産出量が多く比較的安価。品質面・美しさと言った面でも優れている。このため、世界中で建築材・エクステリア用材として多用され、最も有名な砂岩となっている。ただし、資源管理面で疑問点が残されており、枯渇を心配する声も・・・

「ヨークストーン」=イギリスの中北東部「ヨーク地方」から産出する硬質砂岩。ただし、資源保護の観点から、現在の産出量は微量(このため高額)。歴史的建造物・庭園等に多く使われており、マニアにとっては憧れの石材でもある。「インド砂岩」もある意味「ヨークストーン」の代替品と言えるかも知れない。

「インド砂岩」とは前述の通り、インド北部で産出する硬質砂岩の事。比較的安価なうえ、高品質・カラフルで美しい<基調色として白系(グレー)・赤系・グリーン系の3色があり、組み合わせる事で様々な表情を出す事が可能>。また、「御影石」や「石英岩」と異なり、ややラフで温かみがあり、装飾性の強い住宅などには特にピッタリの石材です。重量もやや軽く、加工性も良いので、「敷石」だけでは無く、階段のステップ、貼石(建築用を含む)など、幅広く使われており人気も急上昇中。また、土間処理用として使った場合は、滑りにくいと言うメリットもあります。

その一方で、「砂岩」としては硬質であるとはいえ、一定の、吸水性・柔らか味があり、凍結融解による剥離、コケ、カビなどの汚れを防ぐことは困難。従って、この点の確認を怠らず、納得して使用する事が大切です。ただし、筆者の場合はこの点を<「インド砂岩」の弱点>とは考えていません。むしろ、経年変化を楽しめる長所と考えています。

最後に、「ヨークストーン」について。「ヨークストーン」はイギリス・ヨーク地方産出の硬質砂岩。多くの歴史的建造物・庭園・屋外公共スペース等に使用され、<憧れのブランドストーン>にもなっています。ただ、資源管理も徹底されており、現在では産出量も限定的。このため高額で、本物の「ヨークストーン」がエクステリアに使われることは稀。「インド砂岩」がその代替品的イメージがあるのもこのためです。

そこで本日の一口アドバイス。

「魅力抜群<インド砂岩>。ただし、長所・短所を知り適切な使い方を!」

(みずき りょう)

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「インド砂岩」の採掘・加工風景

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「インド砂岩」の板石

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「インド砂岩」を使った土間(敷石)

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階段のステップに使われた「インド砂岩」

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「印度砂岩・白(グレー)系」

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「インド砂岩・赤系」

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「インド砂岩・グリーン系」

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「ヨークストーン」で造られた歴史的建造物

 

 

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