りょうさんの：ほぼ毎日、エクステリア＆ガーデンメモ・・・NO3,007

「天然素材の魅力」第40回・・・「シャラ」の真相と魅力とは？

シンボルツリー10選。この項では「シャラ」を取り上げます。ただし、「シャラ」にはあまり知られていない秘密も・・・

＜「シャラ」「ヒメシャラ」そして「沙羅双樹」とは？＞

「シャラ（沙羅）」＝ツバキ科ツバキ属の落葉高木。別名「ナツツバキ」。学名は「Stewartia（ナツツバキ属） pseudocamellia）樹高10m程度にまで成長。原産地は日本（宮城県以西の本州、四国、九州）〜朝鮮半島南部。開花期は6～7月で、直系５㎝ほどで花色は白。葉は楕円形で少し光沢があるが肉厚は薄い。幹は樹皮が剥がれグレーからやや赤みをを帯びツルツルしている（このため「サルスベリ」の別名も。ただし、百日紅とは全くの別種）。

「ヒメシャラ（姫沙羅）」＝ツバキ科ツバキ属の落葉高木。学名は「Stewartia（ナツツバキ属） monadelpha」。「シャラ」とよく似ているが葉・花ともに小さい。ただし、樹高15m程度にまで成長し、こちらの方が大型。幹は「シャラ」同様にツルツルしているがより赤みが強い。自生地は神奈川県～和歌山県までの本州太平洋側、四国、九州、屋久島（日本の固有種）。

「サラシウジュ（沙羅双樹）」＝仏教三大聖樹の一つ。フタバガキ科ショーレア属の常緑高木（樹高30m以上。レッドラワンに近い樹種）。学名は「Shorrea（ショーレア属） robusta」。自生地はインド〜東南アジア。

「シャラ」はナツツバキ属の落葉樹で、樹形がスッキリ系で比較的乱れにくい、白い花が美しい、紅葉を楽しむことが出来る・・・などの特性を持ち、人気も高く、シンボルツリー10選の中に組み入れました。また、近樹種に「ヒメシャラ」がありますが、ほぼ同様の扱いでOKでしょう。なお、「シャラ」「ヒメシャラ」の相違は、後者の方が葉・花がより小さい、幹がより赤みを帯びていると言った点。ただし、「ヒメシャラ」の方がより大型で、この点は勘違いしている人が多いようです。

なお、「シャラ」＝「沙羅双樹」と勘違いしている人が多いようですが、これは全くの別物。本物の「沙羅双樹」はフタバガキ科の熱帯性樹木で日本では育ちません。こそで、古くから代替え樹木として「シャラ（ナツツバキ）」が植えられるようになりましたが、その詳しい歴史は不明（この点は「菩提樹」も同じ）。

補注：「仏教三大聖樹」・・・「無優樹（マメ科）」＝お釈迦様が生まれた時、傍にあった樹木　「菩提樹（クワ科）＝お釈迦様が悟りを開いた時、側に合った樹木　「沙羅双樹（フタバガキ科）」＝お釈迦様が入滅（涅槃）された時、傍に2本（従って「双樹」）あった樹木

そこで本日の一口アドバイス。

「シャラ、ヒメシャラ、そして沙羅双樹。この違いを知って樹木＆仏教通に・・・」

（みずき　りょう）

 

 

 

 

 

 

 

「シャラ」の株立（スッキリ系樹形で人

 

 

 

 

 

 

「シャラ」の花と葉（ツバキ、チャノキ＜茶＞などともやや近い樹木でどこか似ている。ただし、落葉樹）

 

 

 

 

 

「シャラ」の実

 

 

 

 

 

 

 

「シャラ」の幹（樹皮が剥がれツルツルに・・・）

 

 

 

 

 

 

 

「ヒメシャラ」の花と葉（「シャラ」より小さめ）

 

 

 

 

「ヒメシャラ」の幹（「シャラ」より赤みが強い）

 

 

 

 

 

 

 

「沙羅双樹」（フタバガキ科。「シャラ」とは全くの別物）

 

 

 

 

 

 

「沙羅双樹」の葉（熱帯性樹木で樹高30以上に・・・）