りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO3,006
「天然素材の魅力」第39回・・・「アオダモ」の多様な魅力とは?
シンボルツリー10選。「シマトネリコ」「ソヨゴ」「ハイノキ」「ヤマボウシ」「ハナミズキ」に続き、この項では「アオダモ」を取り上げます。
<樹形+αの魅力を持つ「アオダモ」とは?>
「アオダモ」=モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。雌雄異株。樹高は10~15m。別名「コバトネリコ」「アオタゴ」、等。学名「Fraxinus(トネリコ属) lanuginosa f.serrta」(従って「アオダモ」と言う樹木の定義は、地域・取り扱う業者等により多少差があるのではないか?)。花期は春で白花を群開。その後、豆のような翌果(サヤ)を付ける。自生地は、国内の北海道〜九州とほぼ全域+朝鮮半島。
「アオダモ」の特色としては、①:樹形が極めて繊細 ②:樹高10m以上、幹の直系50㎝程度に育つが、成長は遅い ③:樹皮が緑っぽくなり、地衣類の付着で白っぽい斑点が出来る ④:葉は柔らかく小さくて、3〜7枚が対生し、ヘリは鋸状・・・などを上げることが出来ます。
では、①~④の特色は何を表しているのでしょうか? そう、樹形が極めて繊細であると言う事。分類を見ても明らかなように、「アオダモ」はトネリコ属の樹木で、「トネリコ」「シマトネリコ」などに近い存在。従って、樹形がスッキリ系であることは当然。実際には、幹が非常に細く淡い色(薄いグリーン+白の斑点)をしている、葉がより小さく柔らかい、などがプラスされ、さらに繊細な印象を受けます。勿論、この点がシンボルツリーとして最大の魅力でもあります。加えて、成長が遅く樹形もあまり乱れません。
しかし、「アオダモ」の魅力はこれだけに留まりません。材が堅くしかも弾力があり木製バットの最も優れた原材の一つ(ただし、乱伐で希少木にも・・・)である、青い色素が染料になる、高級墨(書道・水墨画用)を作る材料になるなど、文化を支えてきた樹木でもあり、そこの多くの物語(ロマン)性も秘めているからです。
だから、この「天然素材の魅力」シリーズでも、シンボルツリー10選に加えただけでは無く、ベスト4樹木にも加えました。では、庭木「アオダモ」の欠陥とは? 強いて上げれば、価格がやや高いと言う点。ただし、見方を変えれば「ハイノキ」等と同様で、普及率をセーブさせると言うブレーキ役を担っており、樹木にこだわりを持つあなたにとっては魅力の一つとなるのでは。少しだけ奮発して、門柱の横などにぜひ「アオダモ」を・・・
そこで本日の一口アドバイス。
「チョー繊細なアオダモの株立ちを門柱横に! そして、種々薀蓄など・・・」
(みずき りょう)
樹形は超スッキリ系!
花と葉
翼果(サヤ):トネリコ属の特徴でもある
幹:グリーン系+白い斑点
山野に自生する「アオダモ」(宮崎県)