りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO930

 

「落葉樹の魅力、徹底追及 編」・・・近くて遠い落葉樹「ケヤキ」?

「落葉樹」の魅力について検証しています。今回からは、樹種別に分析を加えていきます。まずは、日本の代表的「落葉樹」の1つ「ケヤキ」から・・・

「ケヤキ(欅)」は、ニレ科、ケヤキ属の落葉高木です。東アジアの一部と日本に分布しており、我が国では九州、四国、本州と広い範囲で自生しています。ただ、どちらかと言えば暖地を好む樹木と言えます。また、「ツキ(槻)」の別称で呼ばれることもあります。

最大の特色は、巨木に育つと言うこと。従って、各地に天然記念物に指定された「ケヤキ」があり、その存在をより有名にしています。特に大阪府の野瀬町にある「野間の大ケヤキ」は有名(写真参照)で、信仰の対象にもなっています。

「ケヤキ」の樹木としての特色としては、イチョウの葉のように扇型に枝と葉を広げ樹形が美しい、大木に似合わず小さく繊細な鋸葉を持つ、雌雄同株だが雄花と雌花が異なる、花は4月ごろ葉が出る前に咲く(残念ながらそれほど美しいものではない)、秋の紅葉色は黄~紅系まで変化が大きい・・・などを上げることができます。

また、「ケヤキ」は街路樹、公園木などとしても大量に植えられ、最も良く目にする「落葉樹」です。ただ、庭木に使われることは少なく、以外に近くて遠い存在でもあります。理由は、大きく育ちすぎる、根が強すぎる、と言ったことで一般家庭向きではないからです。一昔前までは、樹形の美しさに憧れ、「ケヤキ」をシンボルツリーにした。しかし、根が張り配管まで破壊し大失敗、と言った話もよく耳にしました。

また、「ケヤキ」は日本を代表する建築材、銘木でもあります。比重が0.7近くあり、強度・耐久性に優れているからです。しかし、完全乾燥しないとアバレが激しく、家全体を狂わせると言った武勇伝も各所で伝わっています。ただ、残念ながら構造材に使えるような大木は激減しており、最近の住宅で「ケヤキ」の梁・柱などが使われるケースは極めて稀です。

「ケヤキ」は材質が硬く光沢がある、木目が美しい、と言った特性も持っています。従って、一枚板の高級家具、銘木製品、などにも良く使われています。むしろ、限られた材料を有効に、長く使っていくためには、このような貴重品的な使い方が主流となっていくことでしょう。

日本に自生する「落葉樹」の代表を上げるとすれば、「ブナ」「カツラ」「ケヤキ」の3種ではないでしょうか? そして、関東以東(北)の山林地区の代表が「ブナ」、東北・北海道の冷涼地の代表が「カツラ」、西日本以西の比較的暖地の代表が「ケヤキ」だと言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「野間の大ケヤキ」。巨木となる「ケヤキ」にはこのように、天然記念物・神格化された大木が多数ある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケヤキ」の典型的な樹形。イチョウの葉を立てたように上に広がりスッキリとした感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケヤキ」の葉。鋸葉で小さく肉厚が薄い。また、黄・紅葉が入り混じるのが特徴。

 

そこで本日のひと口アドバイス。

「暖地の代表的落葉樹ケヤキ! 魅力一杯だが、庭木向きとはいえないのが残念!」

(りょう)