りょうさんの:エクステリア&ガーデン:ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO944

 

「落葉樹の魅力、徹底追及 編」・・・日本固有のカエデ「ハナノキ」!

3つ目の、少しマニアックな「落葉樹」のシンボルツリーとして紹介するのは「ハナノキ」です。

「ハナノキ」は、ムクロジ目、カエデ科、カエデ属の落葉高木です。つまり、「カエデ」の仲間であるということ。ただ、その中にあって非常に個性的な存在であり、特有の魅力を持っている点を見逃すべきでは有りません。また、一部の人達の間でこの点に注目が集まり、公園の樹木、街路樹、住宅用の植木として、少しずつ使用頻度が増えてきています。

では、「ハナノキ」の個性・魅力とは何でしょうか?①:日本の固有種と言う出生の秘密 ②:公共木・庭木としての特性・・・に集約されます。

①:「ハナノキ」が日本の固有種であることを知る人は非常に少ないと思われます。と言うより「ハナノキ」の存在そのものがあまり知られていないのかもしれません。しかし、一部の地域・人々に「ハナノキ」は古くから注目され大切に育てられてきました。理由は、自生地が、長野県、岐阜県、愛知県、滋賀県の4県に限定されているからです。

「ハナノキ」は古くから珍重・栽培されてきました。しかし、自生の記録はあったものの、それが確認されたのは明治の後期になってからです。このような経緯がより人々の心をひきつけたのでしょうか、愛知県は県木、長野県、岐阜県の4市町村では指定木としています。また、岐阜県中津川市坂下、滋賀県東近江市南花沢町の自然林は広く知られています。

②:の樹木としての魅力については花が美しい、紅(黄)葉が素晴らしいと言う2点が特に注目されます。「ハナノキ」は樹高20mほどになる高木です。自生エリアからも分かるとおり、冷涼地を好みますが、日本の大部分のエリアで栽培は可能です。雌雄異株。花期は3月~4月で葉が出る前に、紅色の小さな花を一斉に群開させます。特に雄花(雄株)の群開は見事で、木全体が真っ赤に燃えるような状況を呈します。従って、庭木に使う場合で確認可能であれば、雄株をお勧めします。

また、「カエデ」類の多くがそうであるように、秋の紅葉も見事です。「ハナノキ」は黄葉、紅葉が入り混じりますが、冷え込みが厳しい地域ほど、紅葉の比率が高く美しいようです。暖地では、黄葉の比率が高くなり、様相は少し異なりますが、それでも人々の目を充分楽しませてくれます。勿論、樹形も魅力的で、春夏秋冬楽しむことが出来る樹木でもあるわけです。

「ハナノキ」は最近になり流通量も少ずつ増えてきており、グリーンショップ、通販等でも手に入るようになってきています。ただ、極めて近い種類の「アメリカハナノキ」との混雑がかなりあるようです。輸入種が悪いわけでは有りませんが、日本の固有種にこだわる場合は、この点の事前確認をお忘れなく。

そこで本日のひと口アドバイス。

「日本にしか自生しないカエデ、ハナノキ! 花・紅(黄)葉の美しさも魅力!」

(りょう)

 

 

 

 

紅葉した「ハナノキ」の天然木。

 

 

 

 

 

 

「ハナノキ」の雄花(雄木に咲く)。

 

 

 

 

 

 

「ハナノキ」の雌花(雌木に咲く)。

 

 

 

 

 

 

「ハナノキ」の葉(やや紅葉)。