りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO946

 

「落葉樹の魅力、徹底追及 編」・・・見直そう「イロハモミジ」の魅力!

少し脱線しましたが、話をシンボルツリーとして評価の高い「落葉樹」に戻します。今回取り上げるのは「イロハモミジ」です。

「イロハモミジ」は、ムクロジ目、カエデ科、カエデ属の落葉高木です。オオモミジ、ヤマモミジ、などと特に近しい関係にあり、庭木として使われるのも、「イロハモミジ」を筆頭に、殆どがこの3種です。自生地は、日本、朝鮮半島、中国、台湾などでかなりの広範囲。国内でも、北海道を除き平地から1,000m程度の高地まで広く分布しています。

樹木の特性としては、樹高15m・幹の直径80㎝程度にまで成長する、雌雄同株、葉は長さ3.5㎝~6㎝×幅3㎝~7㎝程度で比較的小さく5~9の切れ目がある、紅葉が美しい・・・などを上げることができます。なお、「イロハモミジ」と言う名称は、葉の亀裂をイリハニ・・・と数えてことによるとのこと。

ここで、どうしても言及しておかなければならない問題があります。日本人は「紅葉(モミジ)」と言う言葉を3種に使い分けているからです。1つ目は紅葉(コウヨウ)する「落葉樹」の総称、あるいはその風景として。2つ目はカエデ属の植物の総称として。そして、3つ目はより狭い範囲で「モミジ」として慣習的に捉える場合です。そして、3つ目の対象となっている植物の大多数が、「イロハモミジ」、オオモミジ、ヤマモミジ、の3種でもあります。

ただ分類学上は、例えばカエデ属の中にモミジ亜属を設けるような区別はありません。従って3つ目の対象としている植物も、日本人の感覚によるもので、範囲が限定されているものではありません。

また、庭木としてみた場合は、「イロハモミジ」と、オオモミジ、ヤマモミジの区別も明確とは言えません。亜種、変種、園芸種を加えると「イロハモミジ」自体膨大な数になります。同時に、その中にはオオモミジ、ヤマモミジ、他との交配種も多数含まれていると考えられるからです。

従って、私たちがシンボルツリー、その他の庭木として「イロハモミジ」と通称している植物も、基本種に近いもの以外は、慣習的な呼称と考えるべきでしょう。ただ、「イロハモミジ」は葉のサイズが小さな物が多く、大木に育てる頻度が少ない庭木には最適です。このため、使用頻度が高くなると同時に、同系植物を植栽プランに入れる場合は自動的に「イロハモミジ」と表記することもあります。

「イロハモミジ」はシンボルツリー他の庭木として極めて魅力的な樹木です。ただ、和風のイメージが強いためか、最近は使用頻度が減少しています。しかし、株立などは樹形もスッキリしており、洋風のモダン系にも充分対応できます。もう一度、その存在を見直すべきではないでしょうか。

そこで本日のひと口アドバイス。

「日本の原風景にも繋がるイロハモミジ! 洋風モダンにも良く合うことをお忘れなく!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

「イロハモミジ」の樹形。

 

 

 

 

 

 

紅葉した「イロハモミジ」。

 

 

 

 

 

 

 

 

葉の切れ込みが深いタイプ(置霜)。

 

 

 

 

 

 

「イロハモミジ」の風果。回転しながら飛ぶ。