「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO952
「落葉樹の魅力、徹底追及 編」・・・ちょっと恐ろしい「ウルシ」と「ハゼ」!
身近にある「落葉樹」を紹介していますが、今回は「ウルシ」と「ハゼ」を取り上げます。両種ともムクロジ目、ウルシ科の落葉樹で、近しい関係にあり、外見も似ています。かぶれる可能性がある、紅葉が美しい、と言った特性も似ています。また、ウルシ科の植物は、70属980種ほどが世界に分布する大きなグループで、食用・香辛料などとして役立っているものも少なくありません。マンゴー、カシューナッツ、ピスタチオ、コショウボク、などがその代表例。
「ウルシ」は、ウルシ科、ウルシ属の落葉高木で、成長すると樹高10m以上になります。周知のとおり、日本にも幅広い地域に分布していますが、元々自生していた、縄文時代に入ってきた、奈良時代かその少し前に漆器の原料として中国から輸入されそれが野生化した、など諸説があります。
樹木の特色としては、葉は卵形で3~9対で小さい、花は6月頃咲き黄色、実はゆがんだ扁平で房状に付き10月ごろ熟し黄褐色となる、紅葉が美しい・・・などを上げることができます。ただ、観賞するより、触るとかぶれる危険な植物として嫌われ、この面の方がはるかに有名であることは周知の通りです。野山に出かけたときはご注意を!
勿論、「ウルシ」は樹脂が漆器の原料になることで知られ、栽培されていることも忘れてはなりません。その他にも、木蝋の原料にもなる、材は黄色味があり細工物に使う、などの活用方法があります。新芽は食用にもなるようですが危険説も・・・
一方「ハゼ」は、ムクロジ目、ウルシ科、ヌルデ属の落葉樹です。この分類でも分かるように、「ウルシ」の仲間ですが「ヌルデ」により近いと言うこと。ただし、外見は「ウルシ」とよく似ており、近いグループの植物であることは間違いありません。このためか、「ウルシ」よりその確立は低いとはいえ、かぶれることもあり注意が必要です。
両者の相違を「ハゼ」から見ると、葉がやや細い、共に複葉であるが9~15枚が連なり数が多い、と言ったことが上げられます。ただ厳密に言うと、日本に自生しているのは「ヤマハゼ」で、木蝋の原料として栽培されている「ハゼノキ」(または「リュウキュウハゼ」)とは別種です。
「ハゼノキ」の原産地はアジアの暖かい地域で、江戸時代に琉球王国から持ち込まれたといわれています。外見的な相違は、葉に艶がある、茎に細毛がない(「ヤマハゼ」には毛がある)、と言った相違があり見分けることは可能です。
そこで本日のひと口アドバイス。
「少し恐ろしいが身近で役立つウルシとハゼ! 野山で選別できるよう覚えておこう!」
(りょう)
「ウルシ」の若葉。
紅葉した「ウルシ」。
日本の山野に自生する「ヤマハゼ」。
「ハゼ」の実。木蝋の原料になる。