りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO963

 

「外構・ガーデンセミナー 編」・・・道路GLと宅地GLの関係?

なぜ住宅業者より早く、あるいは同時期に並行してエクステリア専門店を訪れるべきなのか? この項からは、その理由を少し詳しく検証していきます。

まず、住宅地の基本を考える場合い、広さ、形だけではなく、高さについてもチェックする必要があります。宅地と言うものは、必ず「道路GL(グランドライン)」「宅地GL」と言う2つの高さを持ち、そこに段差があるからです。そして、特例を除き「道路GL」は宅地とは無関係に決められてしまいます。多くが公共の既存スペースであるからです。

一方、「宅地GL」は住宅の設計者が決めます。勿論、無差別に決めるのでは無く、造成の段階や周辺の条件により制約があり、それを元に決定します。ただし、ここで忘れてはならないことは、制約の中とは言え最終決定するのは、住宅の設計者であるという事実です。そして、わずかな「宅地GL」の設定の違いが、屋外空間を含めると、お客様の生活に大きな影響を及ぼします。

例えば、段差の少ない宅地の場合い、「宅地GL」を少し上げておかないと、排水処理に支障をきたし暮らしに悪影響が出ます。高すぎると無駄な経費がかかったり、敷地全体の使い勝手が悪くなったりします。段差のある敷地ならなおさらで、隣地との関係でも最適な「宅地GL」 は変わります。

住宅業者は勿論「宅地GL」をどのように設定すれば良いかという知識を持っています。ただし、屋外空間の使い方によっても最適「宅地GL」は変化するし、その個別条件を無視し、常識の範囲で無造作に決定されている場合も珍しくありません。

そこで、もし早めにエクステリア専門店を訪れ、おおまかな要望を伝えていただければ、それに伴う最適「宅地GL」と、住宅配置のご提案をさせていただくことが出来ます。それを元に、住宅業者に設計を依頼すれば、当然のことながらより良い計画を作成することが出来ます。

逆に、住宅配置と「宅地GL」が既に決定された段階では、無理や無駄のある屋外計画しか立てられない場合も出てきます。つまり、早めにエクステリア専門店を訪れると言うことは、住宅本体に立ち入ると言うことではなく、より合理的な敷地全体の計画を作成すると言う目的のためのものであるわけです。住宅業者の分野を侵そうということでは決してありません。

同じことが、基礎の打ち方、最適カースペースの確保、屋外のゾーニング、住宅ローンを含む資金計画・・・と言った分野についてもいえます。

そこで本日のひと口アドバイス。

道路GL宅地GL? 特に宅地GLの決め方が敷地全体に大きく影響!」

(りょう)

 

 

 

 

 

段差のある宅地造成。このような場合でも、「宅地GL」の微調整は住宅設計者が行う。

 

 

 

 

「宅地GL」が示された図。

 

 

 

 

 

 

住宅の基礎。「宅地GL」に従って打たれる。