「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO985
「外構・ガーデンセミナー 編」・・・「アプローチ」のバリアフリー対策!
「アプローチ」について検証していますが、最後は「バリアフリー」対策について。
「アプローチ」は安全で歩きやすいと言うことを最優先すべき。それを前提にデザイン性を加味する、と言う基本を忘れてはなりません。そして、この基本が特に重要視されるのが「バリアフリー」対策が必要になる場合です。では、「アプローチ」の「バリアフリー」化にはどのような方法とポイントがあるのでしょうか? 詳しい「バリアフリー」の公的基準については、別の機会に詳述するとして、本稿では現状に即した大筋だけを提示しておきます。
まず、段差解消に対しては、①:スロープを作る ②:スロープ以外の方法を考える・・・と言う2つの選択肢が生まれます。
①:のスロープに関しては、角度が最大でも10%以下、幅110cm以上、を最低基準としてください。この数値は公共施設用などの基準よりはゆるいもので、一般住宅用の目安です。しかし、これ以上角度が急になったり、幅が狭くなったりすると危険(ただし、車椅子を使わない場合は、幅は少し狭くてもOK)ですので、要注意!
同時に、スロープには必ず安全面を考慮した手摺を付ける、滑りにくく凹凸の少ない土間処理を行う、と言う点にも留意してください。特に、滑りやすい土間は危険で、乾いている時だけではなく、濡れている時も滑りにくいことを確認して使うことが大切です。
②:のスロープ以外の選択には2つのポイントがあります。1つ目は、階段を使うと言う方法です。この場合は、車椅子を使わない場合いか、介助者がいて車椅子を使う場合いに限定されます。ただ、2つの前提を満たしている場合は、意外にスロープより使い勝手が良い、と言う意見も良く耳にします。
ただし、蹴上げの高さを思い切って低くする、ステップの幅を広く取るといった配慮が必要となります。特に、介助者がいて車椅子を使う場合は、ステップの長さを110cm以上にする必要があります。また、スロープと同様に手摺・滑りにくい土間、にすることは言うまでもありません。
2つ目のスロープ以外の対策は、昇降機の設置です。昇降機には階段にレールをつけ上がるタイプと、垂直昇降タイプの2種がありますので、現場に応じて選択してください。昇降機は電動機械であるため、抵抗感を持つ人も多いようです。しかし、現場条件によっては有効的手段で、経費的にも有利な場合もあります。
また、軽度の「バリアフリー」対策は、健常者にとっても役立ちます。同時に将来対策にもなります。住宅内部では既に「バリアフリー」対策が標準化しており、屋外でもその発想を取り入れるべきでしょう。
そこで本日のひと口アドバイス。
「アプローチの軽度のバリアフリー対策。それは、標準装備として考える時代に・・・」
(りょう)
「スロープ」。角度は最大でも10%以下に!
「手摺」。「アプローチ」には標準装備すべきでは?
「昇降機」。垂直昇降タイプ。