りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO986

 

「外構・ガーデンセミナー 編」・・・門・塀の構造と適正な選択!

「アプローチ」に続き「門・塀廻り」について考えて見ます。

まず、「門・塀」の構造ですが、3つに大別されます。「RC(鉄筋コンクリート)造」「組積造」「柱(フレーム)構造」です。

「RC造」とはコンクリートの充填+鉄筋をベースにしたもので、土留めや大きな門柱・塀などに適し、強度・耐久性に優れています。「組積造」はブロック、石材、レンガ、などを積み上げるもので、門柱・塀の主要構造となっています。ただし、地震に弱いと言う欠点があります。また、「RC造」と「組積造」は両者とも壁構造と言う共通点を持っています。

「柱(フレーム)構造」とは、門・塀周りの場合い、柱(またはフレーム)+間仕切りパネルで構成され、金属、樹脂、木製フェンス(目隠し)がその代表的存在。軽量で地震には極めて強いが、風圧にはやや弱いと言う特性を持っています。また、土留めには使えません。

3者を比較すると分かるとおり、その特性が大きく異なります。従って門・塀廻り」のプランを作成する場合い、目的に応じた最適の使い分けが大切になります。当たり前のことですが、この使い分けに誤りがあるケースが意外に多く、構造、機能、デザイン面に問題がある現場も少なくありません。

例えば、土留め部分の高さが1mを超える門柱・塀の場合い「組積造」は使うべきでありません。地震による倒壊の危険があるからです。にもかかわらず、コストだけを優先した危険な「門・塀廻り」を多数見かけます。

また、塀の高さが180㎝以上に達する場合でも、何も考えずにブロック塀を採用しているケースも珍しくありません。この場合い、積み方の基準を満たせば、強度的課題はクリアできます。しかし、デザイン的に重苦しくなる、控え壁と言う無駄な構造物を作らなければならない、など多くの問題点が生まれます。もし、「組積造」と「柱(フレーム)構造」、あるいは植栽を有効に組み合わせていれば、より有効なプラン作成が可能であるにもかかわらず・・・

では、なぜこのような矛盾が門・塀廻りのプランを作成する時に発生するのでしょうか? それには2つの主要因があります。1つ目は、専門店のスタッフが、3つの構造に対する知識が薄い場合いです。特に、「RC造」に対し苦手で、何でも「組積造」で消化しようとする傾向があります。しかし、これは極めて危険であることは既に提示のとおりです。

2つ目は、目的の把握が甘い場合です。例えば、目隠しが主目的でありながら、お客様のブロック塀にして欲しいと言う言葉だけに固執し、重苦しいうえ機能・デザイン的にも問題のあるプランとなってしまっている・・・このような例を良く目にします。そう、この場合いはフェンスや木製目隠しの方がはるかに有効であることも珍しくありません。

そこで本日のひと口アドバイス。

門・塀廻りの最適プラン作成! その為には、3つの基本構造を的確に使い分けよう!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

 

モダン系の「門廻り」。この程度の高さ・サイズならブロック積みで充分!

 

 

 

 

 

 

 

 

南欧風の小さな「門廻り」。勿論ベースはブロック積み。

 

 

 

 

 

 

 

 

「門廻り」は昼の顔だけではなく、夜の顔も大切!