りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO1,007

 

「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・巨木の代名詞的存在「クスノキ」!

日本を代表する「常緑樹」4番目に紹介するのは「クスノキ」です。

「クス(楠)ノキ」は、クスノキ目、クスノキ科、ニッケイ属の常緑広葉樹です。近縁種に食用となるアボカド、葉が線香の原料となるタブノキなどがります。また、ハードウッドの代表的存在であるウリンもクスノキ科の樹木です。

上記の仲間を見ても分かりますが、「クスノキ」は比較的暖かい地域に多く生息する樹木です。生息地はベトナム、台湾、中国などに広がり、日本では九州、四国、西日本が主な自生エリアです。ただし、「クスノキ」は森林などには少なく、人の住む周辺主体に自生するという面白い特性を持っています。

「クスノキ」の最大の特色は、巨木になると言うこと。幹の周囲が10mを超えるものも珍しくなく、暖地の神社などにもその地域で保護されている著名な大木が多数有ります。また、日本最大と言われる樹木も「クスノキ」(蒲生の大楠、幹周24m、鹿児島県、写真参照)です。

その他の特色としては、樹形は枝幅が広くこんもりしている、葉は先の尖った楕円形で長さ5~10cm程度と比較的小さい、常緑樹だが4~5月ごろ大量に葉を落とす、葉にダニ室(後述)がある、5~6月に小さく白い花を咲かせるが目立つものではない、10~11月頃に紫黒色の小さな実を付ける、実は鳥は食べるが食用には適さない・・・などを上げることが出来ます。

ダニ室とは葉にある小さなふくらみのこと。そこに無害なフシダニが生息しています。やがてフシダニがダニ室からあふれ出ると、捕食性のダニがこれを食べるために集まる。従って、「クスノキ」にはフシダニと捕食性ダニが絶えず一定のバランスで生息している、と言う不思議なものです。

また、「クスノキ」には芳香があります。このため「臭し(くすし)」と呼ばれ、それが「クス」の名の元になったといわれています。この芳香成分には防虫効果があ、有名な防虫剤「樟脳」が作られ(葉・枝を蒸留し無色の液を抽出)ます。樟脳は医薬品にも使われることがあり、camphoraと呼ばれています。そして、カンフル剤という言葉はここからきたもの。

関東以東(北)の人達にとっては、「クスノキ」はあまり馴染みの深い樹木ではないかもしれません。しかし、西日本以西(南)の人達にとっては極めて身近な「常緑樹」です。前出の神社等に大量に植えられている他、公園などでも絶えず見られるからです。特に、「落葉樹」のケヤキと並び植えられ、すくすくと大木に育っていく姿は圧巻。まさに日本(暖地)を代表する「常緑樹」といえましょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

「暖地を代表する常緑広葉樹、それがクスノキ! 巨木になり神社等でも大活躍!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

日本最大の木「蒲生の大楠」(鹿児島県)。

 

 

 

 

 

 

「クスノキ」の葉と実。

 

 

 

 

 

 

「クスノキ」の花。