りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO1,009

 

「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・風を味方にした「ソヨゴ」の秘密?

スッキリ樹形で人気の高い「常緑樹」を紹介しています。そして、「ハイノキ」に続き登場するのが「ソヨゴ」です。

「ソヨゴ」は、モチノキ科、モチノキ属の常緑小高木。この名前は、葉が風にそよぐイメージからきており、漢字名が無いと言う変わり者です。この分類を見ると、少し樹木に詳しい方なら、疑問を持たれるかもしれません。モチノキの仲間は、古くから庭木として多用されてきました。ただ、最近は人気が下降気味で、住宅用のシンボルツリーに使う頻度がすっかり低くなっています。なのに、「ソヨゴ」だけは根強い人気が有り、現在も主役的座を維持しているからです。

実は、その秘密は「ソヨゴ」と言う名前に隠されています。前述のように、葉がそよぐ雰囲気をとらえこの名が付きました。それだけでも得をしている感じですが、葉と花(実)の仕組みに得をしている大きな要因があります。

モチノキの仲間の人気が下降した最大の原因は、樹形が重いということです。成長すると、どちらかと言うとズングリムックリと言った感覚の樹木がほとんどであるからです。ところが、「ソヨゴ」は葉と花(実)の柄(枝と繋がっている部分)が長いと言う特性を持っています。このため、葉が風に揺れやすくなるのですが、同時に重さを取り除く役割も果たしています。また、あまり大きく成長することが無い(成長スピードも遅い)ので、若木の時の姿を保ち続けると言う点も長所となっています。

「ソヨゴ」のスッキリ樹形と人気の秘密、ご理解願えたでしょうか? このほかには、葉は楕円形で光沢があり「常緑樹」としては柔らか、花は5~6月に咲き白く小さい(あまり目立つのもではない)、実は秋に熟し7㎜前後でそれなりの観賞価値がある・・・などを上げることが出来ます。また、「ソヨゴ」には、果実が黄色い「キミソヨゴ」、鋸葉の「タカネソヨゴ」、鋸葉で枝が黒っぽい「クロソヨゴ」などの近樹種・変種がありますが、庭木としてはあまり使われていないようです。

「ソヨゴ」は、材の歪が少ないため、そろばんの珠、玩具用などの、精度を求められる小物に良く使われます。また、樹脂にはタンニンが多く含まれ、葉は「さやご染め」と言う紅色の染料としても活用されます。

「ソヨゴ」にはあまり派手な印象はありませんが、シンボルツリーなどの庭木として安定した人気を誇っています。じっくり育て、じっくり楽しむ、そんな植木好きにピッタリの樹木であるからでしょうか・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

「モチノキの仲間でありながら、さわやかな感覚のソヨゴ! さて、その秘密は?」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

「ソヨゴ」の樹形。

 

 

 

 

 

 

「ソヨゴ」の花。あまり目立つ存在ではない。

 

 

 

 

 

 

「ソヨゴ」の葉と実。いずれも柄が長い!