りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO1,011

 

「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・若干違和感も?「常緑ヤマボウシ」

スッキリ樹形の「常緑樹」、4番手として「常緑ヤマボウシ」を紹介します。ただし、他の3種とは異なり、人気の「落葉樹・ヤマボウシ」の常緑版ということで、急速に普及率が高まっていますが、スッキリ系に入れるのは少し無理があるかもしれません。

「ヤマボウシ」はご存知の方も多いと思いますが、ミズキ科、ミズキ属、ヤマボウシ亜属の落葉高木です。主に山地に自生し、日本の分布地域は本州~九州。朝鮮半島、中国にもその範囲は広がっています。この分類を見ても、同じく人気の「落葉樹・アメリカハナミズキ」の近樹種で、両者とも花の美しいシンボルツリーとして高い評価を得ています。

ただ、秋の落葉処理、冬寂しい、と言った理由から「常緑樹」の方が良いというお客様も多数おられます。そんなご要望に応えて登場したのが「常緑ヤマボウシ」です。

「常緑ヤマボウシ」については素性がよく分からないものも少なくありません。また、一本一本の差もかなり大きな植物であるようにも思えます。ただ、最近の状況を見ると、「ヒマラヤヤマボウシ」「ホンコンエンシス」の2系統が主流を占めているようです。しかし「ヒマラヤヤマボウシ」は葉が細く、落葉タイプの「ヤマボウシ」とはかなり樹形が異なります。どちらかと言えば「ホンコンエンシス」の系統の方が近しい関係にあるのではないでしょうか?

「常緑ヤマボウシ」は上記の分類(名称)でも分かるとおり、熱帯・亜熱帯に分布する、「ヤマボウシ」の近樹種と考えて良いでしょう。「トネリコ」と「シマトネリコ」の関係とよく似ているともいえます。また、シンボルツリー用などとして、人気急上昇中の植物でもあります。しかし、枯れたり葉を落とすことはありませんが、冬の姿はそれほど美しいものでは有りません。耐寒性に問題があるのか、葉が中途半端に変色するからです。

いずれにしても、「ハイノキ」「ソヨゴ」「シマトネリコ」「常緑ヤマボウシ」の4種は、数少ない「常緑樹」で主木対象の人気種となっています。スッキリ系の「落葉樹」を選び変化も楽しむのか、冬でも寂しくならない「常緑樹」を選ぶのか、それはお客様の好みによります。ただ、常緑系にこだわる場合は、この4種の名前、特性を知っていて損はありません。

4種の中で、圧倒的に普及率が高いのは「シマトネリコ」。でも、「それ以外」にこだわってみるのも、1つの楽しみかもしれません。

そこで本日のひと口アドバイス。

ヤマボウシなのに常緑樹! そこに、貴方は魅力を感じる? 感じない?」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

「常緑ヤマボウシ・ヒマラヤヤマボウシ」。葉が細い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「常緑ヤマボウシ・ホンコンエンシス」。「ヤマボウシ」により近い?

 

 

 

 

 

 

一般の「ヤマボウシ」。落葉樹。