[リフォームやました] ♪ スタッフブログ ♪ 爺様の昔話

お酒が入ってご機嫌になった爺様が昔話を始める。
・・・昭和十九年、終戦の少し前のことさ。伊勢原から大和まで牛車を引っ張って、材木を受け取りに行ったときの事さ。 連絡がうまくいかなかったので、待ち合わせに失敗し、一日水も飲まずに大和→座間→厚木→伊勢原と歩いたんだ。
一番かわいそうなのは、一緒に行かされた牛だよ。子供のことだから、水を飲ませるでもなく一日無理やり引っ張って歩かされたんだから。結局、やっと受け取れた材木を乗せての帰り道、石田駅の前の坂道でとうとう牛は一歩も前に進まなくなってな。
なだめても怒っても進まない・・・どうしようかなぁと思っていたら、仕事帰りの若い衆達が「こぞう、どうしたんだい?」と聞くので、一日の顛末を話すと、「じゃぁ、俺が押してやるよ。」と言うや否や、後ろから押し始めてくれたんだ。牛は後ろから押されりゃ、しょうがない、とぼとぼ歩き出した。若い衆達は荷物が坂の一番上まで来ると、「じゃぁな!」と言って駆けていっちまった。ろくにお礼も言えなかった。
あの頃の夜は本当に暗くて、このまま真っ暗になったら、怖いなぁと思っていたときだったから、心底ありがたかった。
だから、おらぁ、それから困っている人を見ると、放っておけないんだ。・・・これが、お人よしの爺様の原点なのですね。知らなかったわ