「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO1,025
「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・際立つ香り「キンモクセイ」!
「常緑樹」で副木、低木などに使われるものを紹介しています。この項で取り上げるのは「キンモクセイ」とその仲間です。
「キンモクセイ」は、モクセイ科、モクセイ属の常緑小高木です。原産地は中国で、秋に美しい花を着け、しかも香りが素晴らしいため、公園木、庭木、などに多用されていることは周知の通りです。ただ、あまり知られていない事柄も・・・
「キンモクセイ」の特色としては、①:樹高は5~6m程度 ②:秋にオレンジ色の花を群開させ美しい ③:花の香りが素晴らしい ④:葉は堅く楕円形で艶がある・・・などのを上げることが出来ます。ただ、この特色の中で実についての記述が無いことにお気づきでしょうか? また「キンモクセイ」の実を見た人はおられるでしょうか?
「キンモクセイ」は前述の通り、中国から輸入された樹木です。しこも雌雄異株。ところが、観賞が目的であまり魅力が感じられない、雌株は輸入されませんでした。つまり、日本には雄株しかなく結実しないと言う次第。
また、「キンモクセイ」は基本種ではなく、「ギンモクセイ」の変種であることもあまり知られていません。「ギンモクセイ」は「キンモクセイ」に当然のことながらよく似た樹木です。相違点は、花が白い、葉に丸みがあり少し幅広、と言った程度。日本でも見かけますが、香りも「キンモクセイ」よりは少なく地味で、いつの間にか変種の方に主役の座を奪われた、と言ったところでしょうか。
また、葉にとげがある「ヒイラギモクセイ」も時々見かけます。これは、同じモクセイ科の「ヒイラギ」との雑種と言われています。この他、外見は「キンモクセイ」と殆ど同じで、花の色が淡い「ウスギモクセイ」もありますが、これまた「キンモクセイ」と「ギンモクセイ」の雑種ではないでしょうか?
「キンモクセイ」は観賞用だけではなく、その香りも良く活用されます。最も有名なのが「桂花茶」。他にも、ワインに漬け込んだり、香味料に使ったりします。また、昔は悪臭を防ぐため、「キンモクセイ」の花をトイレに置いたとのこと。この習慣を活用し、1,970~1,990年頃は「キンモクセイ」の香りが芳香剤の主力であったようです。
ただし、「キンモクセイ」は良く虫を呼ぶとも言われています。従って、庭木として活用する場合は害虫駆除だけはお忘れなく!
そこで本日のひと口アドバイス。
「日本の秋を代表する花と香りキンモクセイ! でも実を見たことが無いないのは何故?」
(りょう)
秋、花を咲かせた「キンモクセイ」。
「キンモクセイ」の花。香りが素晴らしい!
「ギンモクセイ」。こちらが基本種!
「ヒイラギモクセイ」。「ヒイラギ」との雑種。