りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,026

 

「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・花と香りの「クチナシ」「ジンチョウゲ」

前項では香りの良い「キンモクセイ」を紹介しました。この項では、香りの続編として「クチナシ」「ジンチョウゲ」を取り上げます。

「クチナシ」は、アカネ目、アカネ科、クチナシ属の常緑低木です。自生地は東アジアで、日本では静岡県以西(南)の山林の低木としてよく見かけます。樹木の特徴としては、①:樹高3m以下の低木 ②:葉は長楕円形で非常につややか ③:花期は6~7月で一個ずつ咲く ④:花色は白で美しく観賞価値が高い上、強い芳香を放つ ⑤:10~11月に赤い実を着け、この実が漢方薬や着色料になる・・・と言ったことが上げられます。

つまり、葉と花が美しく、香りも抜群の常緑低木ということ。このため、古くから庭木などとして栽培されており、親しみ深い樹木であることは周知のとおり。その一方で、「クチナシ」は実の特徴でも触れたとおり、漢方薬(薬名:さんしし)や着色料になることでも知られています。

特に、実に含まれるカロチロイドの一種である「クロシン」と言う色素は有名で、繊維の染料、食品の黄色無害着色料として広く使われています。多くの加工食品の表示にも「クチナシ色素」の名が見られるので、一度チェックしておいてください。

「ジンチョウゲ(沈丁花)」は、フトモモ目、ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属の常緑低木です。原産地は中国南部で、日本に自生していた樹木ではなく、輸入されたものです。ただし、その歴史は室町時代にまで遡ることができ、古くから愛培されてきました。

樹木の特徴としては、①:葉は艶があり放射状に着く ②:花期は2~3月で、春の季語としても使われる ③:花は手毬状にまとまって咲き、強い芳香を放つ ③:花色は蕾は濃紅、開花後は薄紅 ④:実は赤く丸く有毒である・・・と言ったことを上げることが出来ます。また、「ジンチョウゲ」と言う名は、香木「沈香」に似た香りがあることから来ており、古くからその花の香りを楽しんできたことが分かります。

なお、近樹種として花が白い「シロバナジンチョウゲ」、花色がより薄い「ウスイロジンチョウゲ」、斑入り葉の「フクリンジンチョウゲ」などがあり、いずれも庭木として栽培されてきました。

「スイセン」「ウメ」「バラ」そして紹介してきた「キンモクセイ」「クチナシ」 「ジンチョウゲ」など、見るだけではなく薫香を楽しむ。それもまた、草花・樹木と付き合う大切な要素であることを再確認したいものです。

そこで本日のひと口アドバイス。

「蒸し暑さを忘れさせる芳香、クチナシ! 初春の庭に放たれる薫香、ジンチョウゲ!」

(りょう)

 

 

 

 

花を着けた「クチナシ」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クチナシ」の実。黄色着色料となる。

 

 

 

 

 

 

早春に花が咲く「ジンチョウゲ」。

 

 

 

 

 

 

「ジンチョウゲ」の赤い実。有毒!