りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,034

 

「常緑樹の魅力徹底追及 編」・・・照葉樹林の脇役、センリョウ・マンリョウ

日陰でも対応できる「常緑樹」を紹介しています。この項からは、まだ取り上げていない低木を4種ピックアップします。まずは「センリョウ」「マンリョウ」から。

日本に自生する低木で、日陰に強いものと言えば、殆どが照葉樹林(温帯常緑樹林の一形態。葉に光沢があり、光を良く反射する樹木が多いためこの名称が付いている)に自生するものが大半を占めます。常緑樹林の場合は地上部に当たる日がごく少なくなるため、自然と日陰でも育つ植物が中心の構成となるからです。

「ツバキ」「サザンカ」「サカキ」「ヒサカキ」などがその代表的存在で、「センリョウ」 「マンリョウ」も同じような形態の樹木と考えて良いでしょう。ただし、かなりの小型種であることもお忘れなく。

「センリョウ」は、コショウ目、センリョウ科、センリョウ属の常緑低木です。東アジア~インドの幅広いエリアに自生しており、日本では関東以西の本州、四国、九州、沖縄でその姿を見ることが出来ます。この分布エリアを見ても、比較的暖かい地域を好む樹木であることが分かります。

「センリョウ(仙蓼、千両)」の特色としては、①:樹高1m以下の低木 ②:葉は対性でヘリが大きめの鋸歯 ③:花は黄緑色で7~8月に咲く ④:果実は真っ赤に熟し、上向きに着くため目立ち、しかも10月~翌年2月まで楽しめる ⑤:被子植物としては非常に古い形態を留めている・・・などがあげられます。また、名前(千両)がめでたいと言うことで、正月用の樹木としても良く使われることは、周知のとおりです。

「マンリョウ(万両)」は、サクラソウ目、ヤブコウジ科、ヤブコウジ属の常緑低木で、自生地は「センリョウ」とほぼ同じ。ただし、分類を見ても分かるとおり、両者はまったく別系統の植物です。

「マンリョウ」の特色としては、①:樹高は1m程度の低木 ②:葉は細長く波打ち、互生する ③:花は柄が長く、白で7月ごろに下向きに咲く ④:実は花と同じように下向きにぶら下がるように着き、赤く10月~翌2月まで楽しめる・・・と言ったことが上げられます。なお、照葉樹林には、「マンリョウ」とごく近い間柄の「ヤブコウジ」も自生していますが、こちらは樹高10cm程度のごく小型の植物です。

「マンリョウ」もその名前(万両)がめでたいと言うことで、「センリョウ」とともに正月用の樹木として多用されます。両者とも赤い実が魅力ですが、「センリョウ」は上向き、「マンリョウ」は下向きに着いているのですぐ区別できます。覚えておきましょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

「照葉樹林の脇役、センリョウマンリョウ! でも、お正月には主役に大変身!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

「センリョウ」の樹形。

 

 

 

 

 

 

「センリョウ」の葉と実。実は上向きに着く!

 

 

 

 

 

 

 

 

「マンリョウ」。実は下向きに着く!

 

 

 

 

 

 

「マンリョウ」より小型の「ヤブコウジ」。