りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,055

 

「レッドウッドの世界 編」・・・森林火災さえ味方に付けたツワモノ!

「レッドウッド」の桁外れの生命力について検証しています。森全体のパワーについては前項で記したとおり。でもそのパワーの元は、あくまでも「レッドウッド」個体に秘められています。

「レッドウッド」は巨大な樹木です。世界一のノッポで、現在発見されているもので最高樹高は115m強。他を寄せ付けません。巨大であると言うことは、長寿であることにも通じます。確認されているものの最高樹齢は2,200歳ですが、研究が進めばさらなる長寿者も発見されるのでは・・・

「レッドウッド」の生命力には、外見だけでは分からない秘密もあります。1つは森林火災に対する対応力のすごさです。実は「レッドウッド」は樹液の脂分が極めて少ない樹木です。特に樹皮は粗く厚みがありますが脂分を殆ど含みません。これは何を意味するか・・・そう「レッドウッド」は燃えにくいのです。従って、多少の山火事では消滅しません。

「レッドウッド」の火災対策は、燃えにくいと言うだけには留まりません。その種は、個体数を一定に守るため、通常では殆ど発芽しないと言われています。しかし、火災に遭うと一気に発芽します。例え森林火災で「レッドウッド」の森が焼失しても、即、再生が始まるのです。この点は、オーストラリアの「ユーカリ」などとも共通点があり、自然の知力に感服させられます。

また、「レッドウッド」の樹液には脂分が少ない一方で、大量のタンニン(ポリフェノール)が含まれています。このタンニンが流れ出し、より他の生物が住みにくい環境を作り出しているとも言われています。森閑とした「レッドウッド」だけの森を形成する重要条件の1つとも。同時に、タンニンの影響で「レッドウッド」は倒れ枯れても、長期にわたり朽ち果てません。枯れても何百年も存在し続ける・・・この点もネイティブアメリカンが「神の木」と呼んだ一因となっているのかもしれません。

ただ、「レッドウッド」については、まだまだ不明な点が多く残されています。偉大なその姿に圧倒され、植物学としての研究が遅れてしまったのでしょうか? 特に日本では、樹木としての細かな特性を記した資料が殆どありません。雌雄異株とするごく初歩的な過ちさえ、最近まで見過ごされていたようです。

従って、樹木としての細かな特性を記することは簡単なようで以外に困難です。ただ、「レッドウッド」の世界を検証する上で、どのような樹木であるか分からないでは済まされません。次項では、資料が入手できる範囲でどのような特性を持つ樹木であるのかに迫ってみます。

そこで本日のひと口アドバイス。

「燃えにくい樹皮の秘密、発芽に関する独特の工夫・・・火災対策も万全!」

(りょう)

 

 

 

 

「レッドウッド」の樹皮。極めて燃えにくい!

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」の倒木。非常に腐りにくい。

(人物:資料提供者の「木匠・飴村さん」)

 

 

 

 

「レッドウッド」の種。火災に遭うと発芽する。