「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,056
「レッドウッドの世界 編」・・・?が多い樹木「レッドウッド」
この項では樹木としての「レッドウッド」の特色を追って見ます。ただ、前項で指摘したように、「レッドウッド」の森の特性、国立州立公園にも指定されている圧倒的な姿、木材としての高い評価・・・などと比較すると、樹木としての特性については不明な点が多々あります。特に、日本で入手出来る資料は限られており、曖昧な点が残されている点についてはご了承下さい。
まず、「レッドウッド」の樹木としての分類ですが、以前に提示したとおり、ヒノキ目、スギ科、セコイア属の常緑針葉樹となり、正式な種名は「セコイア センペルビレンズ(Sequia sempervilens)」です。そして、以前は「ジャイアントセコイア」もセコイア属に含めていましたが、現在は、ヒノキ科、セコイアデンドロン属となり、かなり系統の異なった樹木となりました。
従って「レッドウッド」に比較的近い樹木と言えば、スギ科の木ということになりますが、あくまでも1属1種の植物で、「セコイア」唯一の生き残りとなっています。
樹木の特性としては、①:樹高は100mを超える ②:同一の木に雄花と雌花を着け、風により受粉する ③:葉は細く扁平な針状で「イチイ」にやや似ている ③:ただし、成長すると兆部と下部では葉の形状が変化する ④:樹皮は赤身がかり、粗く極めて厚い ⑤:その樹皮は脂分が非常に少なく燃えにくい・・・などを上げることが出来ます。文章では分かりにくい部分もあるので、前項・今項の写真を参照してください。
また、「レッドウッド」には誤解も多く有ります。例えば②の項目ですが、雌雄異株としている文献も多数有ります。しかし、写真でも提示の通り、1つの枝に雄花と雌花を着けます。また、「ジャイアントセコイア」との自生地も含め、混乱した記載も多々見られます。また、このような状況ですから、今後研究が進めば異なった見解が出てくるかもしれません。
生物全体にもいえることかもしれませんが、特に「レッドウッド」は人知を超えた神秘性を多数持っています。しかし、選りすぐれた木材を創りだすため、遺伝子レベルまで踏み込んだ研究が現在行われています。この点については詳しく後述しますが、このような研究が進むに従い、新しい「レッドウッド」の顔が見えてくるかもしれません。
なお、「レッドウッド」は木材としても極めて優れた特性を持っていますが、自然林の伐採は100%禁じられています。このため、数少ない完全栽培体制が整っている木材でもあります。
そこで本日のひと口アドバイス。
「謎と誤解が多いレッドウッド! ただし今、遺伝子レベルまでの研究が・・・」
(りょう)
「レッドウッド」の雄花と雌花。
「レッドウッド」の球果。
「レッドウッド」の枝。