りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,135

 

「世界のガーデン、日本のガーデン 編」・・・ハチミツ色の桃源郷、その名は?

伝統的な「イギリス式庭園」を紹介してきました。続いては、イギリスの建築・ガーデンに欠かすことの出来ない2つ地方と石材について述べます。まずは「コッツウォルズ」と言う地域とそこから産出する石材から・・・

「コッツウォルズ」とはイングランド中央部にある丘陵地帯のことです。標高は300m前後で、緩やかな傾斜地が延々と広がる広大な地形で、羊毛の交易で栄えました。地名の意味は「ヒツジの丘」でまさに景観と歴史を反映した地域名と言うことができるでしょう。

この地方の人達は、「コッツウォルズ」の美しさを最大限に活用しようと考えました。まず特別美観地域に指定。同時に、その景観を保護するため、徹底的な建築規制を実施しました。具体的には、地元で産出する「コッツウォルズストーン」を使わない建築物を造ることを禁止しました。従って、この地域には違和感のある建造物が一切存在しません。

日本であれば、このような規制は絶対に通らなかったことでしょう。一部地域だけではなく、1つ地方が丸ごと景観保護エリアとなったわけですから・・・ 当然、そこでの生活には大きな支障が出ます。でも、その一方で「コッツウォルズ」の人達は大きな利益も得ました。美しい景観、公害の無い世界、そして世界的な観光地、と言ったメリットです。

特に、大型の建造物・庭園ではなく、住宅、小さな商業・工業施設、そして小さな(住宅の)ガーデンの集合体としての景観が、他に例のない桃源郷的イメージを創りだしました。勿論、桃源郷と言われる地域は他にもあります。しかし、殆どが隔絶されて山間地にあり、「コッツウォルズ」とは大きく状況が異なります。

「コッツウォルズ」の景観を支えているのは、自然環境と「コッツウォルズストーン」です。その「コッツウォルズストーン」とは地元産出の石灰岩のことで、ハチミツ色をしています。別名「ライムストーン」とも呼ばれ、この石材を使うことでハチミツ色の桃源郷が創出されたという次第。ただ、既に記したように「コッツウォルズ」は単なる美観地区ではありません。世界の人達が憧れる観光地でもあるわけです。ただし、多くの観光客が訪れるにもかかわらず、極端な喧騒さとは無縁です。

特定の名勝地があるわけではなく、広大なエリア全体が名勝地であるからです。そこには悠然とした農村風景と、静かでお洒落な地方都市の姿が維持されています。そして、「コッツウォルズ」ファンの大半がガーデニングファンでもあります。そう、世界のガーデン好きの憧れの地、それが「コッツウォルズ」です。ロンドンからバスで2~3時間で行けると言う有利さも有ります。貴方も是非・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

「ハチミツ色の桃源郷コッツウォルズ! そこには人々の努力と秘密が・・・」

(りょう)

 

 

 

 

「コッツウォルズ」:ブロードウェイ塔

 

 

 

 

 

 

「コッツウォルズ」:典型的な景観

 

 

 

 

 

 

「コッツウォルズストーン」で造られた建物