りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,146

 

「世界のガーデン、日本のガーデン 編」・・・「バルビゾン」とカントリーガーデン!

現代のフレンチガーデンについて検証しています。と言っても、広大で幾何学的構成が基軸の「平面幾何学式庭園」的なものが主力ではありません。むしろ、「イングリッシュガーデン」のイメージに近いでしょう。特に住宅のガーデンの場合は、ある程度管理しやすいものでないと維持が困難で、当然のことでもあります。

ただ、同じ自然調のガーデンであっても、フランスと言う国からイメージできるスタイルが3つあります。1つは前項で紹介した「クロード・モネ」の庭的なイメージです(池と睡蓮+やや和風)。そして、2つ目がこの項で取り上げる「カントリーガーデン」のイメージです。でも、この「カントリーガーデン」のイメージに強烈な影響を与えた特定エリアがあることをご存知でしょうか? それが「バルビゾン」です。

「バルビゾン」はフランスの中北部に位置する、人口1,500人程度ののどかな村です。しかし、1830年~1870年にかけて、パリの喧騒さをのがれ、多数の画家がこの地に居を構えました。特に、コロー、ミレー、テオドール、トロワイヨン、ディアズ、デュプレ、ドビーニーの7名は有名で、これらの画家を「バルビゾン派」と呼びます。ある意味当然ですが、写実的で、のどかな田園風景を描くという点が1つの共通項となっています。

最も有名な絵画が、ミレーの「落穂拾い」でこの絵を思い浮かべれば、ある程度「バルビゾン派」の様式を想像することが出来るでしょう。そして、こののどかな風景が「バルビゾン」と言う町も特徴でもあります。そう、そこに存在するのは、典型的なカントリー調の街並み、家屋、そしてガーデンです。

では、「バルビゾン」的イメージの「カントリーガーデン」とは。古びた感覚の家or小屋、ある意味雑然とした構成、豊かなグリーン、と言ったところでしょうか。そして、キッチンガーデンの流行とも呼応し、日本でも洋風(あるいはフランス風)の「カントリーガーデン」が多数造られるようになり、現在に至っています。

最も、現在の「バルビゾン」は観光地と言う側面も持っています。「バルビゾン派」のファンが世界中に多数いる上、「カンヌの宿屋」(現在は県立展示館)、ミレーの家(記念館)、ルソーの住居兼アトリエ(記念館)などがあるからです。このため、昔ほどののどかさは無いかもしれませんが、往時の街並み、家屋、ガーデン、等は維持されています。

いずれにしても、単にのどかな風景があるだけではなく、「バルビゾン」はその中に芸術の香りを運ぶ重要な何かを兼ね備えています。「カントリーガーデン」もまた、単なる田舎の庭ではありません。むしろこだわりを持った1つのガーデンスタイルと考えるべきでしょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

「のどかさの中の芸術性! それがバルビゾン、それがカントリーガーデン!」

(りょう)

 

 

 

「バルビゾン」のマーク

 

 

 

 

 

 

「バルビゾン」の街並み

 

 

 

 

 

「ミレー記念館」の内部

 

 

 

 

 

 

日本の「カントリーガーデン」