りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,147

 

「世界のガーデン、日本のガーデン 編」・・・「プロヴァンス」の風とガーデン?

現代のフレンチガーデンが連想させるもの。「クロード・モネ」と「バルビゾン」。それにもう1つ忘れてはならないのが「プロヴァンス」です。と言っても、「プロヴァンス」と言う地域に特別大きなガーデンがあるわけでも、著名なフラワー・ガーデンフェアが開催されているわけでもありません。でも、世界のそして日本のガーデナーにとっては特別な地域であることは間違いありません。

「プロヴァンス」、それはフランス南東部地域の名称です。地中海をイメージさせる代表的エリアで、住宅関連で「南欧風」と呼ばれるデザインのメッカ的エリアでもあります。でも、地中海といえば、ギリシア、イタリア、スペイン、ポルトガルと言った国の方がより接点は大きいはず。あえてフランスの「プロヴァンス」が代名詞的存在になっているのは何故でしょうか? 明確な答えを引き出すことは困難ですが、以下にそのヒントが隠されているのでは・・・

「プロヴァンス」とは前述の通り、フランス南東部に位置し、東のローヌ川、西のヴァール川に挟まれた地域のことです。ただ、このエリアを「プロヴァンス」と言う名称で分けて呼ぶのは、単なる一地方という理由だけではありません。その背景には、同地域特有の歴史が大きく影響しています。

「プロヴァンス」と言う地域は、元はローマ帝国の「プロウィンキア」と言う属州でした。その後、12世紀にはバルセロナ家が統治するようになり、さらに14世紀にはナポリのヴァロア・アンジュー家へと支配者が変わります。そして、現在のようにフランスに属するようになるのは15世紀に入ってから。つまり、イタリア系、スペイン系(ただしバルセロナ系)、フランス系と、言う3つの文化が混在し、独自の文化圏を作り出したといえます。見方を変えれば、地中海とその周辺の文化が凝縮された地域と言うことでしょうか・・・

また、「プロヴァンス」といえばコートダジュール(美しい海岸、紺碧海岸)のイメージが強く、その代表的リゾート都市がニースです。このようなプラスイメージも加味され、「南欧風」デザインの代表エリアとなったのでしょう。勿論、日本人にもこのエリアに憧れる人が多数います。だからこそ、「プロヴァンス風」と言われる住宅、ガーデンが多く造られるようになり、現在も根強い人気を持っています。

ただ、実際の「プロヴァンス」の街並み・住宅・ガーデンと、日本人が造る「プロヴァンス風」の街並み・住宅・ガーデンとでは大きな差が有ります。あくまでも日本版「プロヴァンス」ということですが、文化の違いがありある意味それも当然といえるでしょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

プロヴァンスが辿った歴史に注目! そこには凝縮された地中海イズムが・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

「プロヴァンス」の風景

 

 

 

 

 

 

「プロヴァンス」の街並み

 

 

 

 

 

 

 

 

絵画「プロヴァンスの街」(中村静子)

 

 

 

 

 

プロヴァンス風住宅・ガーデン(日本)